南アのズマ政権、今年は鉱山会社への増税も検討中

南アフリカのズマ大統領は15日に2012年施政方針演説を行ったが、その中で財務省に対して年内に鉱山ロイヤルティーを見直すように指示する考えを明らかにした。対国内総生産(GDP)比での財政赤字が一段と悪化する中、「公的支出に見合った歳入があるのか」を再検討する一環として、「鉱山部門に対する課税水準が適正なのか」を見直すとしており、事実上の増税方針が表明された形になる。

南アフリカの白金鉱山業界では、もはや現在の白金価格水準では利益を出すことが難しくなっており、現に最大手アングロ・アメリカン・プラチナ(アムプラッツ)は12年決算で赤字計上を迫られたばかりである。同業他社も赤字決算こそ回避されているが、7~12月期でインパラ・プラチナが78%の減益を発表するなど、経営環境の悪化はもはや否めない状況にある。

このため、鉱山各社が生産調整で白金相場高を促すのは経済合理性にもかなった政策と言える。しかし、南アフリカ政府は鉱業ライセンスの見直しを示唆するなど政治的プレッシャーを強め、現在は強引に操業規模の縮小にブレーキを掛けている状況にある。こうした中、更に増税という形で鉱山経営を悪化させる動きは、南アフリカ事業の縮小・撤退といった一段と深刻な供給不安を招きかねない。

本来は、需給調整機能が働いて白金相場が利益の出せる水準まで上昇するのを静観すべきと考えている。価格さえ上昇すれば、鉱山会社は政策的な支援・プレッシャーがなくても間違いなく増産に踏み切る。それこそが、南アフリカにとって最大の利益になるはずだ。

しかし、南アフリカ政府内では、「(鉱山会社が)我々の金を盗んでいる」との感情論的な批判が公然として行われている状況であり、経済合理性にかなった政策が採用されづらい状況にある。採算ラインが一段と切り上がる流れにある中、1,700ドル水準の白金相場に割高感を見出すことは難しい。

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