ブレント・WTI原油スプレッドの拡大から読み取りたいこと

ICEブレント原油先物相場は、終値ベースとしては昨年5月1日以来となる115ドル台乗せを達成した。NYMEX原油先物相場は、期近3月限こそ前日比-0.45ドルの97.49ドルと反落したが、期先限月は小幅ながら続伸するなど、総じて堅調地合が維持されている。

ここにきて注目すべきは、ブレント原油とWTI原油のスプレッドが再び拡大傾向にあることだ。シーウェイ・パイプラインの送油能力増強などを受けて、同スプレッドは1月16日に15.44ドルまで縮小していた。しかし、31日には18.06ドルまで拡大しており、再びブレント原油の地合が相対的に強くなっていることが確認できる。

これには勿論、シーウェイ・パイプラインの送油能力が当初計画を達成できなくなった影響もある。1月11日から同パイプラインの送油能力は従来の日量15万バレルから40万バレルまで増強されたが、その後は末端の在庫保管能力不足から、17.5万バレルまで送油量が抑制されている。

従来より米内陸部の過剰在庫に対する解消圧力が強まることは間違いないが、早期の在庫取り崩し観測は後退せざるを得ない状況にある。実際、1月25日時点のクッシング地区の原油在庫は前週比+30万バレルの5,170万バレルまで拡大している。WTI原油先物の受け渡し需給改善期待が先送りされていることが、スプレッドが拡大している一因である。

そしてもう一つ重要なことは、北アフリカ・中東地区の地政学的リスクの高まりである。アルジェリアのエネルギーセクターの治安悪化は既にメディア等でも広く報道されているが、今週に入ってからはエジプト国防相が政情不安で国家が崩壊しかねないと警告し、イスラエル軍がシリアの科学研究施設を空爆するなど、同地区からの原油供給に対する懸念が浮上している。

北アフリカ・中東は、石油埋蔵量で世界の約6割、石油供給量で3~4割を占めており、ブレント・WTI原油スプレッドの拡大は、地政学的リスクが原油高の一因になっていることを示唆している。

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