ブレントは原油横ばいでも、WTI原油はじり高に

米オクラホマ州クッシング地区とテキサス州フリーポートを結ぶシーウェイ・パイプラインは11日、送油能力を従来の日量15万バレルから40万バレルまで増強した上で、稼動を再開したと発表しました。

米内陸部では、シェールオイルに代表される非在来系原油の増産が活発化していますが、それを製油所の集中するメキシコ湾岸まで輸送する能力が乏しいため、常に過剰在庫を抱えた状態にあります。昨年1年間では2,045万バレルもの在庫積み増しが行われており、直近の1月4日時点の同在庫は過去最高の5,008万バレルに達しています。

この状態は、WTI原油先物の受け渡し需給を悪化させており、WTI原油先物は常に納会に向けて期近限月が軟調地合を強いられる展開が続いてきました。しかし、クッシング地区の在庫を域外に輸送することができれば、今後は国際原油相場に対してWTI原油が大幅な下鞘状態に置かれている必然性が失われることになります。

このため、110ドル台前半を維持しているブレント原油に対する割安感を解消する動きが、ここにきてWTI原油を押し上げているとの理解です。もっとも、ブレントや中東産原油は特に動いていないため、あくまでもWTI原油期近に限定された動きとの理解が重要でしょう。国際原油需給の緩和見通しにまで修正を迫るような動きではありません。

ちなみに、直近のブレント・WTI原油スプレッドは17.74ドルとなっていますが、米エネルギー情報局(EIA)は13年平均で15.63ドルと予測していることなども確認しておきましょう。

同パイプラインに関しては、昨年に送油方向の逆送が行われ、その当時もブレント・WTI原油スプレッドはピークアウトしたとの見方が優勢になりました。今回の送油能力増強で、実際にクッシング在庫の取り崩しが開始されるのか、改めてクッシング地区の在庫動向に注目したい状況です。

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