2013年、シェールオイル増産が前提条件に変わる年

もし、今年の原油市場における10大ニュースを取り上げるのなら、11月に国際エネルギー機関(IEA)が発表した年次報告は外せないでしょう。同レポートでは、今後5年で米国がサウジアラビアを抜いて世界最大の産油国になるとの見通しがIEAとしては「初めて」示されています。

原油高を背景に米国の産油量は緩やかな増加トレンドにありましたが、水圧破砕などのシェールガス開発技術の応用がシェールオイル分野でも進んだことで、特に今年後半に入ってから増産ペースが加速しています。昨年末との比較だけでも、既に日量100万バレル以上の増産に成功していることをご存知でしょうか。

IEAの予測モデルだと、2013年の世界石油需要の伸びは前年比で日量80万バレルに留まる見通しのため、現在のペースで米国のシェールオイル増産が進めば、国際原油需給のだぶつきは来年まで持ち越される可能性が高い状況です。特に、季節要因から需要が弱含む第2四半期にかけては、今年同様に上値の重い展開を強いられる可能性が高いでしょう。

実際には、今後の景気回復を反映して需要見通しは一段と引き上げられるとみていますが、石油輸出国機構(OPEC)の大規模な生産調整や突発的な供給トラブルがなければ、本格的な原油高へのハードルは高い状態が維持される見通しです。

国家財政を石油に依存するOPECよりも、コスト削減に成功したシェールオイル開発業者の方が原油安への耐性が強い以上、13年の石油需給を考える際には米国のシェール増産を前提にせざるを得なくなります。これが、従来の環境の大きな違いです。

シェールオイル増産分を相殺できる程に需要環境が改善するか、または、他産油国の生産調整が実現するのかが、13年の石油需給の焦点になると考えています。

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