世界で唯一、金価格が過去最高値を更新していない国

自民党の安倍政権の発足を前にして、為替相場は約20ヶ月ぶりに1ドル=85円の大台に乗せました。ドル/円相場については、どこまで行けば自民党の政権公約にある「円高からの脱却」となるのか明確なコンセンサスが形成されづらい状況ですが、石破幹事長が「円は安ければ安いほどいい」のではなく、「85~90円ぐらい」に抑えると発言していることなどからは、この価格水準が当面の目処となりそうです。

12月のドル建て金相場は8月21日以来の安値を更新しましたが、こうした中でも円建て金相場は4,500~4,600円をコアとしたレンジを維持しています。円相場を取り巻く環境の変化が、いかに円建て金相場の価格形成に大きな影響力を有しているのかが確認できるでしょう。

ここ数年間の金相場の上昇局面では、ドル建て金、ユーロ建て金など、主要通貨建ての金相場が軒並み過去最高値を更新しています。一方、円建て金に関しては1980年の小売価格6,495円が未だに過去最高値であり、日本は世界で唯一とも言える「金価格が過去最高値を更新していない国」になります。

その意味では、「通貨としての金」に対して各国通貨が軒並み過去最安値を更新している中でも、円は唯一その価値を保っている通貨と言えるのかもしれません。ただ、その代償はデフレ(=モノの価値が下がり・貨幣の価値が上がる)という形で国民経済を蝕んでおり、必要以上に強化された通貨価値を国際標準に近づけ必要があるのではないかという動きが、まさに現在展開されようとしている「アベノミクス」です。

その是非についてはエコノミストの間でも論争がありますが、円建て金相場に対しては強力な追い風が吹いていることは間違い無さそうです。円建て金相場の直近高値は、11年9月4日に示現した4,754円ですが、理論上は仮にドル建て金相場が現在の安値で低迷していても、1ドル=90円が実現できれば、円建て金相場は高値更新が可能な状況にあります。

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