大変だよ、この時期の市況解説は ~NY金市況の一考察~

筆者は商品先物会社の調査部門という仕事柄、1日や数時間単位の市況動向についての解説も求められます。ただ、それを仕事の一部にしていても、説明に困る相場環境というものがあります。ここ数日のNY金相場はまさにその典型であり、ファンダメンタルズから強引な市況解説を行うと実態を見誤ります。

18日にCOMEX金先物相場は前日比-24.50ドルの1,670.70ドルと急落しましたが、メディアでは「米財政協議の合意が近いとの観測→金に対する投資需要が減退」とのロジックで解説しているのが殆どでした。

その文脈で言えば、19日に財政協議の難航が報じられた時点で金相場は急反発して然るべきでしたが、実際には同-3.00ドルの1,667.70ドルと小幅ながら続落しています。

これをメディアがどのように解説するのか興味深くみていましたが、「米住宅着工件数の減少」や「財政の崖が大きなリスク要因」などに原因を求め、前日からの流れを無視したような解説が多く見られる奇妙な状態です。

ここから分かるのは、少なくとも18日の相場急落は財政協議の進展期待を背景としたものではないということです。基本的な流れは変わっておらず、財政協議の進展が見られれば、他リスク資産同様に金相場が買われ易い地合には変化がないと考えています。

クリスマス、年末に向けてはどうしても薄商いで値が飛び易く、今後の相場見通しを無視してでもポジションをクローズするといった内部要因の影響力も増します。このため、まじめに一般的な市況解説を信じてしまうと、混乱してしまいます。

中長期的な相場環境は「財政の崖」を乗り越えれば一段と強気になり、ファンドの推定買い残などから考えると、ここから大きく値位置を切り下げるような環境とも考えていません。ただ、年内はこのような理解が難しい値動きが続く可能性があることは認識しておきたいものです。来年に向けて絶好の買い場とみていますが、リスク許容度が低い場合には「様子見」というのも有力な選択視になります。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事