雇用統計がポジティブサプライズでも、金相場が上昇した理由

12月7日22:30(日本時間)に発表された11月米雇用統計では、非農業部門就業者数(NFP)が前月比+14.6万人となり、市場予測(+8.5万人)を大きく上回る結果になりました。失業率も前月の7.9%から7.7%まで低下しています。

これを受けてNY金先物相場は一時的に前日比-17.70ドルの1,684.10ドルまで急落し、やはり雇用環境は悪ければ金相場にポジティブ、良ければ金相場にネガティブであることが再確認されました。ただ、その僅か30分後には1,700ドル台を回復しており、今回は「雇用統計ショック」からの極めて迅速な立ち直りが観測されています。

その一つの理由は、やはり11~12日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で追加資産購入が検討されることに対する警戒感でしょう。11月のNFPが良好な数値であったことは否めませんが、それでも「当局が追加緩和策を発表するとの見通しは変わらない」との冷静な判断が、短時間で「雇用統計ショック」を消化することを可能にしたと考えています。

第二の理由は、雇用統計の内容が全面的に評価できないことです。今月は、10月のNFPが速報値の前月比+17.1万人から+13.8万人まで大きく下方修正されています。しかも、今回+5.3万人もの雇用を創出した小売業に関しては、感謝祭前の一時雇用が大部分とみられ、年末商戦が終わった後の反動が強く警戒される状況にあります。失業率(=失業者/労働力人口)の低下についても、労働参加率の低下という分母サイドの影響が大きく、手放しで歓迎できる数値ではありません。

まだ、「財政の崖」を巡る協議の進展状況が大きな不確実要素として横たわっていますが、改めて金融緩和圧力の強化を金相場に織り込むことが可能かが、問われる局面になっています。来週19~20日には日銀金融政策決定会合も控えており、ここで通貨価値をメインテーマに設定し直すことができるのかに注目しましょう。

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