円全面安を背景に、金の保有スタンスを維持

金価格は11月末1730ドル割れで米系短期プレイヤーの利食いが先行し、1705.64ドルまで急落した。米国市場は短期の投機ポジションの動きが目立ち、上昇相場では時に加速ドライブがかかるのだが、利食いは同一レベルで注文実行されるケースが多く、空白の失速ゾーンが出来る。一方で下値は中国、インド、東南アジアといった実需ゾーンの買いがじわじわと入り、時間をかけて反転上昇に向かう。この投機と実需が向かい合う構図は、金価格が255ドルにあった1999年当時と変わらない。ただ2012年と1999年が異なるのは、ソロス氏のプライベートファンドでの4トンのETF保有に象徴されるように、投機サイドがリスクをとらなくなっていることだ。且つ、恐ろしいことにETFタイプの買い切り、且つ持ち切り投資が主流となりつつある。現地通貨の対ドルでの変動、所得環境の局面変化による増減があるといえ、伝統的な中国、インドの金現物需要は、いわばルーティンタイプの買いだ。日々の価格形成の主導権は、最終的にはポジション解消を伴う中立的な投機サイドよりも、買い切り、持ち切り的な現物実需サイドへと移っている。単独ポジションであればレバレッジは限り無くゼロであり、リスク感応度も穏やかだ。これでは、余程のリセッション(極端なケースではドル円で50円、ユーロで0.90ドルなどの通貨市場の流動性収縮が発生しよう)が発生しない限り、金そのものの下値余地は限定されよう。国内投資の視点としては、12月選挙を経てあらためて構造的な円安の流れを意識する必要がある。2013年は対ユーロでは限定的ドル安、対円では全面安の流れを想定。この観点から引続き金の保有スタンスを維持する。

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