世界的な景気減速で原油は再び急落の恐れ!?

 イスラエル軍によるパレスチナ・ガザ地区への空爆とその空爆でハマス最高幹部が暗殺されたことなどから中東情勢の緊張が一気に高まり、地政学的リスクを買う動きから原油が一時急伸している。北海ブレント期近12月限は14日、15日と連騰しているが、その他限月は15日には急反落するなど、状況は一変している。ブレント12月限は15日に納会だったため、その高値で取引を終えたようで、その他限月はその納会後に急落している。
 世界的な景気減速懸念と米国の「財政の崖(フィジカル=クルフ)」を警戒する動きを受けて、NY原油やブレントは急反落している。注目すべきは、「財政の崖」を警戒して、商品市場全般からのファンド資金の引き上げの動きも懸念され始めており、実際、15日には石油市場ばかりでなく、貴金属市場や穀物市場、さらにソフト市場でもみられている。
 ところで、ここにきて米国の経済指標は弱気な発表が相次いでいる。15日には米フィラデルフィア連銀による製造業景気指数がマイナス10.7となり、事前予想のプラス2.0、前月のプラス5.7を大きく下回っている。米東部を襲ったハリケーン「サンディ」の影響もあるとみられるが、結果的には今まで以上に「財政の崖」を認識せざるを得ない状況に立たされることになったといえる。
 そのハリケーンの影響で、NY市は一時、石油供給制限を実施するなど、供給不安が台頭していたが、全米ベースでみると、ガソリン在庫に対するタイト感は全くなく、その供給制限を材料にして買われたのは行き過ぎだったと考えられる。イスラエル軍の空爆によって、早々、原油の供給不安が表面化するわけでもなく、あくまでもリスクに過ぎないとみるべきである。石油需要の後退が長期的に続くとみられる中、原油・石油製品の流れは、大勢ではまだまだ弱基調とみる。

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