拡大する南アの鉱山ストライキ

 南アのプラチナ鉱山の労働争議は年中行事であったが、今年は少し様相が異なっている。
8月15日世界第3位のプラチナ鉱山ロンミン社のマリカナ鉱山でストライキが発生し、2つの組合の対立で警官隊が導入され、発砲事件に及んで警官2人を含む34人が死亡している。ロンミン社ではその後、正規の組合がストライキに入り、6週間後の9月21日組合側に14%の大幅な賃上げを提案して労働争議は解決した。続いて、世界第2位のプラチナ鉱山インパラ社は9月27日、今年の2月の賃上げに引き続き、二度目の11~22%という大幅な賃上げを受諾して争議は終了した。
 そして第一位のアングロプラチナム社は9月中旬から組合側はロンミン並みの賃上げを要求してストライキに入ったが、会社側はこれを違法なストライキと警告し、組合側の要求を拒否、先週金曜日の10月5日会社側は、組合員1万2千人に対して解雇通告を出した。
このプラチナ鉱山から始まったストライキの波は、燃料補給のトラック運送業者に飛び火し、更に世界第三位の産金会社ハーモニーゴールドにも及んだ。さらに、10月4日鉄鉱石生産会社クンバ・アイアン・オアは道路等を組合員が封鎖して操業ができなくなっている。これらの会社はいずれも英大手資源会社アングロ・アメリカンの子会社である。
そしてその余波は、一般の組合にも及び、8日には南アフリカ自治体労働組合19万人が数日以内にストライキに入ると発表した。
 南アフリカのズマ大統領にとっては、3ヶ月後に与党アフリカ民族会議(ANC)の議長(党首)選挙が行われる。今のところ再選されると見られているが、大統領を批判する勢力が支持を拡大している模様である。
 これまでの経験では、毎年鉱山で労使紛争が生じていたが、最終的には政府が仲介して妥結するという道筋をたどっていた。しかし、仮に今回は大統領選挙もからんだ政治的な動きがあるとすれば、紛争が拡大して長引く可能性もある。
 しばらく様子見であるが、プラチナ価格は世界一のプラチナ鉱山会社の紛糾が収まるまでは高止まりする可能性がある。ただし、解決すれば急落することもある。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事