ブレント原油とWTI原油の鞘が再び拡大傾向に

ブレント原油とWTI原油の鞘(=ブレント原油-WTI原油)が、再び拡大傾向を強めている。月末時点の鞘を見てみると、6月末11.58ドル、7月末14.57ドル、8月末17.29ドル、9月末20.20ドルとなっており、直近の10月8日時点では22.49ドルに達している。

ブレントとWTIともに9月14日が直近高値になっており、トレンドが下向きであることは共通している。ただ、9月14日から10月8日までにWTI原油が10.00ドル安となったのに対して、ブレント原油は4.84ドル安に留まっており、両油種の下落ペースには大きな違いが生じている。

ともに世界経済成長見通しの悪化が調整圧力として機能しているが、欧州地区と米国の原油需給環境の違いが、両油種の鞘拡大圧力に直結している。

欧州に関しては、北海油田のメンテナンスシーズンのピークを過ぎたものの、Buzzard油田などの生産再開が遅れていることもあり、予想されていた生産水準に到達していない。11月の産油量も同月としては少なくとも過去5年で最低が見込まれており、「10月にも生産環境が正常化する」との見通しが修正を迫られている。加えて、欧州地区はシリアやイランなどの地政学的リスクの影響も受け易く、ブレント原油相場の高止まりは長期化する可能性が高い。

一方、WTI原油は米国内需給の緩和状態を映して、上昇余地は限定され易い。米内陸部でシェールオイルの増産が進み、米国内産油量が1996年以来の高水準に達する中、米原油在庫は過去5年のレンジ上限を突破する状況が続いている。本来は、WTI原油の欧州向け輸出で裁定が働いて然るべき価格差が存在しているが、米国では原油輸出が制限されている関係で、経済理論通りの裁定機会が限定されている。

この結果、米石油会社は割安なWTI原油でガソリンや軽油などを精製して輸出する攻勢を強めている。ただ、現時点ではWTI原油を押し上げるまでの効果は確認できておらず、ブレントとの鞘縮小圧力は限定される見通し。

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