ロシアが禁輸措置を模索、その先にあること

ロシアのベロウソフ経済発展相は21日、国内穀物価格の上昇が続いた場合には、輸出規制を導入する可能性があると指摘した。8月31日の政府と農業関連団体との協議では、輸出規制は行わない方針を確認したばかりであるが、ロシア政府内では依然として輸出規制の可能性を模索する動きが継続していることが確認できる。

小麦相場は7月中旬から概ね850~950セントのレンジで膠着化しているが、2010年に穀物輸出の禁止措置が導入された当時の650セント水準は大きく上回っており、ロシア政府としては政権批判にもつながりかねない食品インフレに対して敏感にならざるを得ない模様だ。

ヒョードロフ農業相は、今年の穀物収穫見通しを7,200万~7,300万トンとして、従来の7,000万~7,500万からレンジを縮小した。ただ、6月時点では8,500万トンとしていたため、黒海沿岸の旱魃被害で概ね1,200万~1,300万トンの生産が喪失された形になる。輸出可能量は1,000万~1,400万トンで据え置かれたが、7月時点では2,000万トンであり、こちらも厳しい数値と言わざるを得ない。

ロシア政府は穀物全面禁輸を実施した2010年のような政策対応は取らないと繰り返し表明しているが、輸出税の引き上げ、鉄道輸送量の制限などの有形・無形の形で、何らかの輸出制限が行われる可能性は否定できない状況にある。

穀物価格対策としては、ロシア国内の備蓄在庫放出の可能性も指摘されており、今週にも協議が行われる予定になっている。ただ、現在の輸出ペースを維持できないことは明らかであり、いずれにしても輸出規制カードに対する警戒は必要だろう。ウクライナも10月に議会選挙を控えて穀物輸出価格規制に動く可能性があり、小麦相場の下値はサポートされ易い。

そして、小麦とトウモロコシ価格のスプレッドが拡大すれば、飼料需要のトウモロコシ回帰の動きも想定しておく必要がある。小麦とトウモロコシの価格バランスにも注目したい。

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