金相場は膠着化するも、購買力の増強は続いている

9月12~13日の米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和第3弾(QE3)が決定される中、COMEX金先物相場は8月末の1,687.60ドルに対して、足元では1,770ドル水準まで値位置を切り上げている。

住宅ローン担保証券(MBS)を毎月400億ドルペースで購入するオープンエンド(無制限)型のQE3展開が開始される中、ドルの通貨価値毀損(=ドルの購買力低下)に備えて、ハードカレンシー(国際通貨)としての金(GOLD)を購入する動きが活発化している。定期市場では取組高が急増しており、金上場投資信託(ETF)の投資残高が過去最高を更新しているのが象徴的だろう。

ただ、9月13日以降の金相場は、終値ベースで5営業日連続の1,770ドル台となっており、足元では明確な方向性を打ち出せていない。QE3を受けての急騰相場を期待していた向きにとっては失望的な値動きと言えるかもしれないが、「金相場は膠着化している」とは言えども、「金の購買力は着実に増強されている」との視点が重要である。

余り話題になっていないが、FOMC後の商品市況は調整色を強めている。CRB商品指数だと、9月14日の321.36をピークに、19日終値は308.41となっており、8月末の309.59さえ下回っている。このため、金を通貨として捉えると、本来は1,700ドル台を割り込んでも違和感の無い状況にある。

ただ実際には1,770ドル台と、年初来高値1,792.70ドルも窺う堅調地合が続いている。このギャップが、QE3の効果である。

金価格とCRB商品指数の比価(=金価格÷CRB商品指数)をみると、QE3決定前の9月12日の5.49倍が、13日に5.58まで急伸し、19日時点では5.74倍に達している。金の購買力は着実に増強されており、QE3効果の織り込みが続いていることが明確に確認できるはずだ。

商品市況の調整地合に逆行して急伸する地合にはないが、1,800ドル台乗せのハードルは高くない。

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