とうもろこし相場が伸び悩んでいる理由を考える

米農務省(USDA)が9月10日に発表した「クロップ・プログレス」によると、9月9日時点でトウモロコシの収穫進捗率が15%(前週10%、前年同期5%、平年5%)に達していたことが確認された。ハーベスト・プレッシャー(収穫に伴う現物供給圧力)が明確に確認できるデータであり、1995/96年度以来の低イールド予想ながらも現物需給に対しては緩和圧力が強まり易い状況になっている。

実際、ガルフの現物ベーシスを見てみると、9月初めの段階で40~50セント水準だったのが、10日時点では25セントまで急落している。12日発表の9月需給報告では、生産高見通しが8月報告の107.79億Buから104.03億Bu(レンジは98.60億~107.79億Bu)まで下方修正されることが予測されているが、少なくとも現物供給の品薄感は一服できるとの楽観的な見方が、現物市場経由で定期相場の上値も圧迫している。

供給サイドのネガティブ材料が概ね出尽くしていることもあり、ファンドの買い玉整理が促され易くなっている。トウモロコシは輸出、エタノール向け需要が先行して落ち込んでいることもあり、需給バランス維持のために更に相場高騰を促す必要性が低下しているとの理解で良い。予想されていたよりもレーショニングが順調に進んでいることが、高値要求プレッシャーの後退につながっている。

USDA8月報告の農家価格750~890セントとなっているが、10日の新穀終値は783.25セントであり、USDAが想定していたよりもレーショニング開始の価格水準が低いということだろう。このため、年初来高値849.00セント(8月10日)を上抜くには、収穫の遅れをもたらす天候不順、南米の作付け環境悪化、中国で発生した害虫被害の拡散など、新たな材料が要求される状況にある。

価格低下による需要拡大を許容できないという意味で下値不安は大きくないが、改めて上値を切り上げるためのハードルは間違いなく高くなっている。

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