ハリケーンの後遺症

 米国のハリケーンの後遺症として、二つのことが挙げられる。一つは、米国の原油輸出が急増したこと。ハリケーンにより米国内石油精製設備の稼働率が低下したため、原油の投入量が減少した。しかし、米国の石油生産企業は、余剰な原油を海外に輸出することで急場を凌いだ。下のグラフは9月22日までの週の米国からの原油輸出量であるが、急増していることが見て取れる。これが意味するところは、米国の石油生産企業は、メキシコや南米、アジア諸国に原油輸出のルートを確立したことを意味する。米国内で原油が高く売れないなら輸出すれば良いというしたたかな米国石油企業の戦略が見て取れる。一度ルートができれば、後は価格次第であろう。今後アジア等の原油消費国は中近東や、ロシア、カザフスタン、それに北海油田を加えたサプライヤーから原油のオッファーが入り、買い手市場になるだろう。今後需要が伸びるのはアジアの諸国のみであるからだ。

 原油輸出が増加したことは、米国の原油在庫の減少となって表れ、WTI原油価格を上昇させた。

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 もう一つの後遺症は、米国の留出油在庫の減少である。下のグラフで右側の留出油(灯油と軽油)が過去5年平均比を割り込んでいることがわかる。この示すところは、今年の冬に寒波が襲来して暖房油の需要が出ると暖房油(Heating Oil)の価格が上昇しやすいと言うことである。ロイターによれば、ファンドは既に暖房油を買い始めているという。

 毎週根気よく作っているグラフがこうした大きな変化をしめしてくれるのは作家冥利に尽きる。

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