金相場の「調整リスク」と「買わざるリスク」

8月米雇用統計が市場予測を大幅に下回る内容に留まったことを受けて、9月7日のCOMEX金先物相場は前日比+34.90ドルの1,740.50ドルと急騰した。2月29日以来の高値を更新している。

8月31日にバーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が行った講演では、「失業率は最大限の雇用と一致する水準を大きく上回る状態が続く可能性が高い」と悲観的な見方が示されていたが、今回の雇用統計は正にこうした懸念を裏付ける内容になっている。このため、米連邦準備制度理事会(FRB)が早ければ9月12~13日の次回米連邦公開市場委員会(FOMC)で量的緩和第3弾(QE3)に踏み切るとの見方が、金相場を押し上げている。

実際に次回FOMCでQE3が導入されるのかは、現時点では五分五分に近い確率と考えている。次回会合では、異例な低金利政策の時間軸延長などに留め、「財政の崖」や欧州債務問題の蒸し返しに備えて、QE3カードを温存する可能性も十分にある。ただ、いずれにしてもQE3導入の流れが決定的となる中、仮にQE3が見送られても金相場の下値不安は限定されよう。

他資産価格との比較では、現在の金相場には30~60ドル程度のQE3プレミアムが加算された状態とみている。CRB商品指数は4月3日以来の高値に達しており、QE3を巡る議論を考慮に入れなくても、金相場の1,680~1,715ドル水準は正当化できると考えている。この価格水準を下回るような急落がみられれば、むしろオーバーシュート状態の投機的安値と評価している。

裏返せば、FOMC後の調整リスクはこの程度までを想定しておけば十分であり、あとは「調整リスク」と「買わざるリスク」を天秤にかけて、買いポジションを構築する水準を検討すべき局面になる。

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