8月31日、ロシアの穀物政策は動くのか?

8月29日のシカゴ穀物相場は全面高の展開になったが、その背景にロシアが穀物輸出制限に踏み切るリスクが指摘されている。

ロシアのドボルコビッチ副首相が同日、31日に政府と農業関係者で穀物生産や輸出データについての協議を行うと発表したことがきっかけである。米国は半世紀ぶりの大規模な旱魃被害に直面しているが、ロシアも禁輸措置が導入された2010年程ではないにせよ厳しい旱魃被害に見舞われているため、国内供給を優先して何らかの輸出制限に踏み切るリスクが警戒されている。

ロシア政府の公式予想では、12年の穀物収穫量は7,500万トンであり、1,000万~1,500万トンの輸出が可能との見通しになっている。ただ、既に400万トンの輸出が行われているため、このペースで輸出を続けると国内供給が不足するとの懸念がある。

10年のような穀物輸出の全面禁止が行われる可能性は、現在の需給見通しからも、世界貿易機関への(WTO)加盟直後という政治要因からも、殆どないと考えている。ただ、輸出関税の引き上げや穀物流通網に対する何らかの制限などによって、実質的な輸出削減策が導入される可能性は十分にある。

昨年のロシアの穀物輸出高は2,160万トンであり、当然にこの数値が下振れすれば北米や南米など他の穀倉地帯がカバーする必要がある。しかし、北米は既に不作が確定しており、南米のみで北米とロシアの同時減産をカバーできるのかが疑問視されている。

この辺の動きは、既に米農務省(USDA)8月需給報告にもある程度反映されている。ただ、少なくとも小麦を中心に売りポジションの保有が警戒され始めていることが、29日の穀物相場急騰と言う形で示現したと考えている。いずれにしても、8月31日には穀物市場が大きなイベントリスクを抱えることになる。

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