熱帯性低気圧「アイザック」の考え方

熱帯性低気圧「アイザック」は当初見通しよりも進路を西側に移し、29日朝にはルイジアナ州ニューオリンズの南部に上陸する見通しになっている。

米安全環境施行局(BSEE)の最新報告によると、「アイザック」の影響でメキシコ湾にある原油生産プラットフォーム596箇所中、346箇所(58%)で従業員の退避が行われている。生産量ベースだと、原油生産の78%、天然ガス生産の48%が停止に追い込まれており、一時的な供給面への影響は小さくない。

ニューオリンズでハリケーン被害というと、石油市場関係者であれば真っ先に2005年の大型ハリケーン「カトリーナ」の再現が警戒される。特に、当初は石油施設が余り集中していないフロリダ半島近くを通過する見通しだったのが、ここにきて原油生産と輸送の双方で重要な拠点であるニューオリンズを通過する見通しに変わってきていることは、原油相場に対してポジティブである。

ただ、実際の原油相場は特に目立った反応を示していない。27日の取引をみても、原油生産停止の動きが前日の24%から一気に78%まで上昇したことで、時間外取引では一時97.72ドルまで急伸した。ただ、日中取引では逆に前日比-0.68ドルの95.47ドルとマイナスサイドに沈んでいる。

ニューオリンズへの上陸時では、ハリケーンに発達する見通しになっているが、その勢力は5段階で一番低い「カテゴリー1」に留まる見通しであるため、影響は一時的との楽観的な見方が広がっているためだ。ハリケーンによる原油生産の一時的な停止は何ら珍しいものではなく、マーケットの警戒しているのは石油施設が破壊されて、長期にわたる供給トラブルが発生するリスクである。

ただ、今回は生産施設の破壊にまでは至らない可能性が高く、その辺の動きを先取りした動きが、短期投機筋に早めの利食い売りを促したと考えている。原油生産停止の規模が注目され易いが、注目すべきはそこからの復旧ペースになる。

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