ゴムは走り過ぎた反動が出る恐れ

 東京ゴムは前回の本欄で、『当面は強弱材料の綱引きで先限は当面、195円から205円の揉合、行き過ぎれば190円から210円見当と値幅が大きくなるのでは…』と述べたが、相場は先週19日から上放れ20日には先限が218円まで急騰した。

 キッカケは上海ゴムの中心限月である9月限が20日にトン当たり1万4,320元と、5月23日の1万4,360元に接近、これを抜くと5月2日の1万5,345元、次いで4月5日の1万7,220元が目標になってくる。

 上海ゴムが7月10日の安値1万2,520元から反発、19日から上げ足を速めた大きな原因は、『上海ゴム市場にファンド資金が8億元、日本円で128億円が流入した』ことがキッカケという。

 その背景はまだ見えてこないが、中国の国際商品価格が動意を示すなかで、天然ゴム価格は記録的に安く、そこにファンド資金が目をつけたとも考えられる。

 また、天然ゴムの世界3大生産国であるタイ、インドネシア、マレーシアの3ヵ国が輸出を削減する可能性、更には15%の生産削減についても生産国間で話し合いが行われると伝えられたこと、タイ政府が独自に『169億バーツの資金で2万2,000トン以上のラテックスと、約3,000トンのシートゴムを買い付ける』と伝えられたこともプラスに働いたものと思われる。

 ただ、以上のような材料をどこまで信じるかだ。冒頭で述べた、新たなファンド資金流入も確認出来ず、噂の範囲であること、しかも、3大天然ゴム生産国は利害関係で対立、特に7月7~10日の3ヵ国会議ではタイとインドネシアの意見が大きく食い違い、輸出削減については9月15日の大臣級会議まで結論を延ばした経緯がある。

 また、仮に3ヵ国が輸出削減を決めても、それを確実に実行しているかどうか、監視するシステムが無い。それだけではなく、3大生産国が生産量を15%削減すべく、今後、協議するとしているが、これについても、話し合いがまとまるか、仮に話し合いがまとまっても、そのルールが守られるかどうか判らないのが実情だ。

 それでも、当面は上海市場のファンド資金流入説、天然ゴム生産国の市況対策が好感され、ファンダメンタルズの悪さはあまり材料にされない可能性もある。

 ちなみに、中国市場における天然ゴム在庫は青島で27万0,800トン(7月10日現在)、上海で37万4,000トン(7月14日現在)と、合わせて約64万5,000トンと過剰在庫状態にある。また、上海ゴム9月限と来年1月限のサヤは2,360元ほどである。

 一元16円で計算するとトン当たり3万7,840円、つまり、キロ当たりにすると38円弱の大順ザヤであり、東京ゴムの当限と先限のサヤ開き15円ほどに比べると倍以上もある。

 この大きな順ザヤがいつまで続くか、サヤ滑りの恐れが無いかどうかの不安がある。

 一方の東京商品取引所の生ゴム指定倉庫在庫は7月10日現在で3,354トンと前旬日550トン増加しており、納会での渡し物に不足ない状況にある。7月後期の検品申請が160枚、前期の220枚を合わせると380枚、トン数にして1,900トンもある。

 当面はこうした弱材料を受けつけないだろうが、買い一巡するとファンダメンタルズの悪さが見直されること、高値で産地タイから新たな荷を呼び出すことを頭に入れておきたい。
 
Sゴム月足201706
 

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