天然ゴム市場への協調介入決定、注目したいポイント

タイ、インドネシア、マレーシアの3カ国が、低迷が続く天然ゴム市況への協調介入を発表した。30万トンの輸出規制と同時に、老木の植え替えによる15万トン相当の減産を行うことで、実質45万トンの供給削減を目指すものである。

国際ゴム機関(IRCo)は、「天然ゴム需給バランスは安定している」、「供給超過状態にはない」との声明を発表している。しかし、リーマン・ショック後のような最低輸出価格の設定ではなく、供給量そのものの削減に踏み込んだことは、生産国が天然ゴム需給の緩和リスクに強い警戒感を有していることを示唆している。

今回の削減目標となる45万トンは、中国の天然ゴム輸入量の2~3ヶ月分に相当するものであり、早期に実行できれば天然ゴム需給に対するインパクトは間違いなく大きい。ただ、上海定期や産地相場の戻りは鈍く、現段階では期待された程の効果は確認できない。

具体的な輸出削減の手法、国別の割り当て枠、既に実施中のタイ政府の介入策との関係など、余りに不確実要素が多いことが、マーケットの慎重ムードを誘っている。追加介入の可能性も示唆されているが、具体的にどの程度の価格水準をターゲットにしているのかも良く分からない。産地では現物相場が小反発するも、それと同時に農家からの大量売却が行われている。これは、まだ生産者が「先高感」よりも「先安感」を警戒していることを示唆している。

この状況を変えるには、口先介入ではなく、協調介入案の着実な履行が求められることになる。5月以降の天然ゴム相場急落に関しては、需給緩和リスクというよりも投資家・生産者のマインド悪化の影響が大きいだけに、生産国が投資家・生産者からの信認を回復できるのかに注目している。マーケットが求めているのは、机上の介入案ではなく実際の行動である。

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