金投資家が知っておきたい米金融政策の見方

11月2日、米金融政策を決定する連邦公開市場委員会(FOMC)が開催された。ここでは、世界的な景気減速懸念に対する米当局の対応策が注目されたが、結果的には追加金融緩和策への展開は見られなかった。

ただ、今FOMCの内容は金相場に対してポジティブと評価している。注目すべきは、以下の二点である。

第一に、FOMCメンバーから現在展開されている金融緩和策への反対票が消滅したこと。前回会合では、異例な低金利政策を2013年半ばまで継続する既存方針に加え、ツイスト・オペと呼ばれる追加金融緩和策などを導入することに対して、3人のメンバーが反対票を投じていた。しかし、今会合では現行政策への反対票は消滅し、逆に更に追加金融緩和策を導入しないことに対して反対票が投じられている。

第二に、バーナンキ米連邦準備制度理事会(FRB)議長が、住宅ローン担保証券(MBS)の追加購入を「現実的な選択肢」だと指摘したこと。マーケットでは、量的緩和第3弾(QE3)への展開を疑問視する向きも多かったが、ここにきてMBS購入というQE3への展開が現実的な選択肢として浮上し始めている。

これらは、米金融政策が追加緩和策を導入する方向に急傾斜していることを意味する。今後も米金融政策の軸足はインフレ抑制よりも景気支援に置かれ、ゼロ金利政策が長期化すると同時に、大量のドル紙幣が市中にばら撒かれる展開が続く可能性が高い。

そもそも、金相場が9月6日に1,923.70ドルと過去最高値を更新した最大の原動力は、景気支援を名目に、何ら成約がないかのように際限なく供給される伝統的な通貨に対する不信感が大きい。政府・各国中央銀行の発行する通貨に対する信認低下が、供給量の成約があり、誰の負債でもない究極の安全通貨としての金(ゴールド)を再評価する動きにつながっている。

こうした観点からは、米国の金融政策は金相場の中長期トレンドが1,900ドル、2,000ドルと値位置を切り上げる方向性にあることを支持する内容とみている。


ブログ「小菅努の商品アナリスト日記」

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