天然ゴムの市況対策は、需給が悪化している証拠

 東京ゴムは先週前半に大きく崩れた。これは、6月17~18日にインドネシアで開かれたタイ、インドネシア、マレーシアの3ヵ国協議が市況対策で合意に達することが出来なかったからだ。

 タイはこれから秋に向けて季節的な増産期を迎え、需給が緩む時期になる一方で、インドネシアは減産期に移行、『同国はキロ当たり150セントでも十分満足出来る価格』としていることからタイと利害関係が対立、生産制限や輸出削減等で合意出来なかったといわれている。

 こうしたなかで注目されるのはタイ政府筋のRSS買い付けがセントラルマーケットで見られているが、価格アップには結びついていない。『過去であれば、タイに5~6ヵ所あるセントラルマーケットで一斉にゴムを買い上げたが、今回は小口の数量をセントラルマーケットを選びながら買い付けているようだ』(市場関係者)という。

 『タイ政府筋の買い付けが入ったセントラルマーケットのRSSは上昇するものの、そうでないマーケットでは低迷から脱することが出来ない』(同)のようで、価格にバラつきが目立つようになっているという。

 このため、タイでは、『政府にゴムを買いつける資金が無いのではないか』との見方も農民の間で囁かれているといい、タイ政府筋の買い付けが逆にマイナスに働くといった格好になっているようだ。

 過去にもタイ、インドネシア、マレーシアが輸出を削減したり、タイ政府独自で自国の天然ゴムを大量に買い上げ、その在庫が30万トン(そのうち、20万トンは市場に売却済み)に達したこともあるが、生産国が天然ゴム買い上げに踏み切るのは、基本的に供給過剰、余ったモノを買い上げて需給をコントロールして価格を押し上げるのが狙いであり、裏を返すと天然ゴムの需給が悪化している証拠ともいえるわけだ。

 そのように見ると、天然ゴム生産国の市況対策は当初こそ買われても、時間の経過とともに、市況対策の効果が薄れて値崩れする可能性が大きい。

 タイ政府筋がRSSの買い付けを小口にとどめているのも、人為的に相場を押し上げるのは莫大な資金が必要であること、その在庫を保有している間の保管資金や品質劣化などの問題があり、タイ政府筋の買い上げに余り期待するとシッペ返しを食いかねない。

 とすると、7月7日から10日の日程でマレーシアのクアラルンプールで開かれる市況対策はタイ、インドネシア、マレーシアの3ヵ国が輸出削減をする程度で、生産を削減するのは無理と思われる。

 いずれにしても、当面の東京ゴムは7月7~10日の天然ゴム生産国会議を前に揉合相場を余儀なくされようが、その後は順ザヤ化が進み、いずれは先限で6月7日の178円80銭を下抜くものと予想される。
 
上海ゴム週間足
 

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