<Ⅰ> ビットコインの基本的な仕組みと現状

<Ⅰ> ビットコインの基本的な仕組みと現状

(1)ビットコインとは何か

 仮想通貨ビットコインの価格が5月24日初めて1ビットコイン=2500ドルを上回り、株式市場では仮想通貨関連銘柄に買いが集まっている。

 「ビットコイン」(Bitcoin:通貨単位はBTC)とは、2009年5月にインターネット上に現れたネットワーク型暗号通貨であり、それにより世界の誰とでも低コストかつ匿名的に決済取引を行えるものである。「コイン」といっても電子的情報であるビットに過ぎない。しかし、それが匿名性を持つので金貨(コイン)のような現金性を持ち、また貴金属のように手間暇かけて掘り出さなければならないので、このような名前が付けられたものと思われる。

 この仮想通貨のユニークな特徴は、その独特の通貨発行と取引の仕組みにある。法定通貨である日本円は中央銀行によって発行管理されているが、ビットコインにはそうした中央組織はない。

 オープンネットワークの環境下での電子マネーは通常「公開鍵暗号方式」と呼ばれる暗号技術を駆使した「電子署名」を使う。そのとき電子署名で使われる暗号鍵の所有者を保証するために、信頼できる第三者機関が「電子証明書」を発行し「認証」する必要があった。これに対しビットコインは、そのような第三者機関による認証なしに、P2Pネットワーク(注1)を利用して、コインの発行や取引をすべて分散的に行う。

 中央組織の代わりに、「Bitcoin-Qt」(ビットコインクライアント)と呼ばれるソフトウェアをインストールした世界中の何百万台のコンピューターが相互に通信することで、こうしたP2Pネットワークを作り上げる。

 ビットコインには二つの特徴的な仕組みがある。一つは、「マイニング(採掘)」というパズルを解くための仕組み、もう一つは、残高を10分おきに世界のコンピューターに分散して管理するという「ブロックチェーン」という仕組みである。この二つの仕組みによって、コインが盗まれないように作られている。

 「マイニング」とは、分散コンピューティングによる巨大な計算能力と、暗号技術を駆使して取引履歴データを絶えず更新し続けている方法を言う。パソコンとマイナー(採掘人)という採掘ソフトさえあれば誰でも行うことができる。

 {ブロックチェーン}とは、ビットコイン・ネットワーク上に、これまでのすべてのビットコインでの取引情報(トランズアクションログ)が公開されており、これを「ブロックチェーン」と呼ぶ。受取人や送金額などの取引情報が「ブロックチェーン」に随時追加され、更新されていく。「ブロックチェーン」に追加されたことが確認されれば、実際の取引がネットワーク上で決済されるという仕組みである。ただし、新たな取引情報を「ブロックチェーン」に記録するためには、前述の「マイニング」と呼ばれる高度な演算処理を必要とするパズルを解く必要がある。このパズルを解くのが「マイナー」と呼ばれるコンピューターないしその所有者たちある。パズルを一番初めに解くことができた「マイナー」がブロックチェーンに新たな取引情報を追加することによりビットコインが発行され、「マイナー」はそれを自分のものにすることができる。

 道具を使い、労力をかけて金を地中から掘り出すのと同じようなイメージである。この複雑な演算処理を要する計算パズルは、ビットコインのネットワークのセキュリティーや匿名性の強化のために設けられている。

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