ゴムは今一度、急騰のチャンス!?

 東京ゴム先限は先週17日に234円10銭まで上昇し、5月9日の安値204円50銭から約30円水準を上げた。

 今回の上昇は上海ゴムの上げ幅の2倍以上に達したが、これは、東商取(東京商品取引所)の生ゴム指定倉庫在庫が4月末で1,247トン、5月10日現在で1,430トンと依然として危機的な水準にあるからで、5月限納会(25日)を前に期近中心に踏み上げたからだ。

 つまり、納会での渡物不足が表面化したことと、カラ売り玉の多さを市場が改めて認識して、期近中心に急騰したというわけだ。

 一方、上海市場の5月12日現在生ゴム在庫は34万トン弱と、昨年11月25日の23万7,602トンから10万トン以上も増加、更には青島の生ゴム在庫も5月15日現在で20万6,800トンと、昨年12月末の7万8,400トンから13万トン弱も急増している。

 こうした、中国の在庫急増は上海ゴムが今年2月に向けて2万2,000元まで暴騰、『東京に荷が来ないで皆中国に運ばれた』(市場関係者)ということが原因らしい。

 東京と上海とで対照的な動きになったのは、以上のような在庫事情が背景にあることを頭に入れておく必要があろう。

 さて、問題は在庫増の上海が更に値崩れして東京を押し下げるのか、反対に危機的な在庫水準にある東京が上海を押し上げるのか、これが重要なポイントになる。

 常識的には取組高から比較すると、200万トンの市場規模がある上海ゴムと、10万トン弱の市場規模しかない東京ゴムは一目瞭然で上海ゴム主導、つまり、『上海の在庫増で東京がそれに足を引っ張られると見るのが普通だろう。

 ただし、皆がそのように見ると、相場とは皮肉なもので、逆に動くことが多い。

 それと、東京市場で急務なのは引き続きタイ筋が買いポジションにあるのに対して、現物を持っていない向きの、いわゆる、カラ売りが多い。

 また、期近から上昇して、タイ産地から荷を呼び出し、東商取の生ゴム在庫を増やす必要がある。でなければ、いつまでも期近は在庫不足、渡物不足が続き、従って、期近と期先の逆ザヤが解消しにくいということになる。

 理論的に当限(5月限)の300円に対して、先限の220円前後、その逆ザヤ幅が80円もあったのでは、先限を売りにくい。仮に現物を手持ちしているならば300円の当限を売り、一方で先限の220円を買っておけば、それこそ80円の儲けになるが、そうした手が出にくいのは、厳しい在庫事情が背景にあるといわざるを得まい。

 結論は、タイ産地が増産期へと入ろうとしていること、タイ政府在庫が10万トンほど残っていること、今年12月に向けての高値で、タイ、インドネシア、マレーシアの天然ゴム生産が増えていることは間違いなく、戻り売り有利であることは確かだが、それが『今か…』といわれると、『ノー』との答えになる。

 というのも、相場を基本的に戻り売りにさせるためには、前に述べた通りにタイ産地から東京に荷を呼び出して在庫を増やし、現在の期近と期先の大きな逆ザヤを修正させなければならない。

 そのためには、当面、東京ゴムは上海ゴムの動きに左右されながらも期近から高値を出す、今一度、大きく切り返すチャンスがあると予想したい。その時の先限は少なくとも240円、勢いに乗れば250円台があっても不思議あるまい。

 6月にこうした流れになった場合は相場がハッキリ転換することになろう。期近と期先の大逆ザヤが修正され始めたら警戒信号だ。
 
Sゴム月足201704
 

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事