原油価格は1ドル上昇

 5月15日のNY原油価格はサウジアラビアとロシアが減産期間を延長する必要があるとの見解で一致したことから+1.01ドル上昇して48.85ドルとなった。5月5日一時43.76ドルまで下落したときから比べると、+5ドルほど上がっている。

 しかし、原油価格が上昇トレンドにあるかと聞かれればなかなか肯ずる(がえんずる)ことはできない。なぜならこれは口先介入に過ぎないからだ。守られるという保証はないし、OPECや一部の非OPEC諸国が減産したからといって世界の需給が引き締まるとも思えない。IEA(国際エネルギー機関)もOPECもOil Market Report5月号でそれぞれ今年後半の非OPEC諸国の生産量は増加すると予想供給量を上方修正している。OPECの5月のOil Market Reportでは2017年の非OPECの供給量を前年比日量+95万バレル増の5825万バレルとしている。4月の予想の5,789万バレルから+36万バレル上方修正している。これは米国、ブラジル等が予想以上に増産するためだ。だからOPECとロシア等が減産しても米国のシェールオイル生産の採算が採れて増産すれば、世界の需給の均衡は遅くなるだろう。もっともIEAは既に需給は均衡していると述べている。3月は世界の民間在庫は2ヵ月連続で減少しているという。また先週の米国原油在庫は前週比▲820万バレルという大幅な減少を見せた。こうしたことで供給過剰は緩和されていることが示されているが、米国のペルミアン油田等採算の良いシェール油田の稼働リグ数は増加している。

 25日のOPEC総会で減産が正式に決定されても、実態としては今後夏場になり、冷房用電力需要やカークーラー用ガソリン需要が増大するため、石油需要の増加に合わせて原油の生産量は増加する。見かけ上のこうした増加を市場がどう評価するのかわからない。少なくとも心理的にはやはりOPECの言うことは口先だけだと思われるかもしれない。そもそもアラブ人の言葉は信用できないという固定観念もある。
 

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