風向き変わる。地政学リスク再浮上

 前回(4月26日)の当欄で「3つの懸念が後退、米利上げ動向へ市場の関心が移行も」と題して、≪リスク回避が一服してくると、市場の関心は、地政学リスクから金融市場の動向、米利上げ動向などに移行するかもしれない。米利上げ観測が高まった場合、NY金が200日移動平均線~心理的節目1250ドル割れを試す。ただし、5月中旬以降は、イランの大統領選挙や、米大使館のエルサレムへの移行問題の再浮上などが予想され、改めて地政学リスクに材料が戻っていく可能性もある。金の安値売り込みは避け、チャート上の底打ち確認で押し目買い戦略を考えたい。≫と指摘したが、ほぼ想定通りの展開となっている。

 4月末~5月GWにかけて、米利上げ観測の高まりからドル買い・NY金売りが高まり、ドル円は昨年12月高値からの下落に対する半値戻し、NY金は2016年12月安値~2017年高値までの上昇に対する半値押しを、それぞれ達成。欧州リスク・北朝鮮リスク・米暫定予算期限の3つの懸念が後退して、6月以降の米利上げ観測を急速に織り込む流れとなった。

 ただし、5月に入り、市場のテーマは再び「地政学リスク」に戻りつつある状況だ。

 北朝鮮のチェ・イル駐英大使が、英スカイニューズ・テレビに、「米国のあらゆる攻撃に対して、われわれの軍や人民は完全に応じる用意がある」と語り、米国の先制攻撃を恐れず6回目の核実験を実施することも辞さない姿勢を強調した5月10日辺りから、流れが変わった雰囲気だ。ドル円は10日高値、NY金(6月限)は5月9日安値を起点に、トレンドが転換している。
 
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