白金失速

 トムソン・ロイターGFMS社『Platinum Group Metals Survey 2016』によると、2015年自動車触媒需要は白金が94トン(前年比+2.2%)、パラジウムが214.2トン(前年比+4.4%)となっている。白金もパラジウムも共にガソリン自動車から排出される窒素酸化物や炭化水素といった有害物質を取り除くための排ガス触媒に利用されているが、白金が使用されているのは主としてディーゼル車であり、パラジウムはガソリン車に使われている。2000年以降、白金価格が高騰したため、コスト削減の面から技術革新もあってパラジウムへの代替が進んでいるが、貴金属の特性が違うことや主として取り除かれる物質も異なっているため、完全に代替できるわけでもなく、コストとのバランスから比率を調整しているようだ。

 なお、北米ではパラジウム、日本ではプラチナが多く利用される傾向がある。ディーゼル車の主要な市場である欧州では、環境規制の面から白金使用量の増加も期待されると言われているが、必ずしもそうとは言えなくなってきた。昨年9月にパリ国際自動車ショーが開催されたが、VW(フォルクスワーゲン)が「1回の充電で最長600キロメートルを走れるコンセプト車」電気自動車(EV)を発表した。欧州は燃費規制の強化が最も厳しく、2021年には、走行距離1キロメートルあたりの二酸化炭素(CO2)排出量を2015年規制値より約3割減らさなければならない。ディーゼル車の改革だけでは数値目標を達成するのは困難と見られており、欧州メーカーはEV開発に軸足を移しつつある。

 EV以外のエコカーとしては、トヨタが開発しているプラグインハイブリッド車(PHV)、ホンダが手がけている燃料電池車(FCV)がある。欧州では現在、新車販売の約5割をディーゼル車が占めているが、次世代車はEV、PHV、FCVの三つ巴の戦いとなりそうだ。
 
nyptm
 
情報提供:(株)エムサーフ
※上記ロゴが記載されたチャートの著作権は、(株)エムサーフに帰属しており、無断で使用(転用・複製等)することを禁じます。提供している情報の内容に関しては万全を期しておりますが、その内容を保障するものではありません。また、これらの情報に基づいて被ったいかなる損害についても、(株)エムサーフは一切の責任を負いません。

ヤフーブックマーク Googleブックマーク はてなブックマーク ツィートする シェアする  ライブドアブックマーク ディスカス

キーワード

 

連記事

 
 
 

新記事