白金失速

 東京市場で白金が金よりも逆ザヤとなったのは2015年1月19日だが、昨年は逆ザヤが1100円を越えたあたりで、白金の割安感が意識され、逆ザヤ縮小の動きが強まった。終値ベースでいえば、2月26日の1112円、6月24日の1105円、10月21日の1097円が3点底となっていた。今年の4月11日は1103円となり、昨年と同様なパターンで言えば、白金が反発に転じる可能性が高いポイントであり、筆者自身も、白金が反発に転じることを予想していた。

 しかし、5月1日に逆ザヤが1142円まで拡大したことを見て、従来とは異なる相場展開になったことを思い知らされた。端的に言えば、白金の金に対する割安感が進行し、価格が底抜けしたということだ。同じ白金族であるパラジウムに対しても白金の割安感は顕著だ。9日におけるNY市場での白金とパラジウムの比価は1.135と、2001年1月につけた0.57以来の低水準に陥っている。もっとも、2001年当時はパラジウムの国際的な投機が高まった年であり、特殊要因が働いていたため、実質、現在の比価は歴史的な水準に落ち込んでいると言えるだろう。

 白金需要の内訳は、大まかに見れば工業用が60%、宝飾品用が30%、その他が10%であり、工業需要では、自動車触媒用需要が76%程度を占めている。昨年、日本では税金や金に対する割安感から白金地金の売れ行きが倍増したというが、最大の消費国である中国では、景気低迷により宝飾需要が伸び悩んでいる。しかし、それ以上に深刻なのは、最大の需要分野である自動車触媒需要が伸び悩んでいることだろう。
 
saya0510
 

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