2012年後半の金相場見通し

5月以降のNY金先物相場は、概ね1,550~1,650ドルのレンジで揉み合う展開が続いている。6月上旬には米雇用統計の下振れを受けての量的緩和第3弾(QE3)期待から急伸する場面も見られたが、結果的には米金融政策が早期に大幅な修正を迫られるシナリオは描きづらく、金融政策環境を手掛かりとした売買は一服している。

金融政策環境に大きな変化がないのであれば、「通貨としての金」の価値を決定するのは、他商品市況の価格水準ということになり、目先は他商品市況と連動した展開を想定せざるを得ない。もっとも、その商品市況が「景気減速懸念」と「政策対応期待」の狭間で強気と弱気の間を行き来する不安定な地合が続いている以上、金相場のみが急騰することも急落することも難しくなっているのは当然と言えるだろう。

リスク投資環境の方向性がより明確化するまでは、概ね現行のボックス圏を維持する展開がメインシナリオになる。即ち、コモディティ市況に強気であればボックス下限を買い拾い、弱気であればボックス上限で戻り売りを仕掛けるのが、基本戦略になる。

7月上旬は、欧州中央銀行(ECB)、イングランド銀行(英中央銀行)、人民銀行(中国中央銀行)などがほぼ同時期に追加金融緩和策を発表しており、米連邦準備制度理事会(FRB)に対してもQE3期待が高まっていることは間違いない。

実際、7月18~19日の米議会証言では、バーナンキFRB議長が「必要に応じて追加行動を取る用意がある」との発言を行っている。ただ、雇用改善が「いらだたしい程に遅い」ものになる可能性を示したにもかかわらず、追加緩和カードを切れないことが、米連邦公開市場委員会(FOMC)内で依然として追加緩和に否定的な向きが多いことを明確に示している。バーナンキ議長自らが、量的緩和策に「副作用やリスクがある」ことを認め、更に「安易に活用すべきではない」と発言しているのが、シンボリックである。

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