悪材料ばかりでなく強材料も交錯しつつある天然ゴム市況

 最近の円高で上値が圧迫されている東京コモディティ市場だが、ゴムも他の銘柄と同じように上値に圧力がかかり鈍重な展開を余儀なくされている。3月下旬以降は先限ベースで230円台で下げ渋る情勢となっていたものの、4月4日の下げで一時231.0円まで後退し昨年12月以来の安値を更新した。

 3月以降は相場が底入れして上昇に転じるのではないかとの楽観的な見方も一時は浮上したが、依然として市況の悪化に歯止めがかけられないのは円高要因の他にも、ゴム自身の需給ファンダメンタルズの改善が遅々として進んでいない点が挙げられる。

 説明が簡単なのは供給サイドで、世界最大の天然ゴム産地タイの動きがポイントだ。タイは今年初めに30年ぶりの大洪水に見舞われ、ゴム農園にも被害が及んだと伝えられて減産は確実視されていた。ところが時間が経つにつれ実際の被害規模が限定的だったことが判明して供給不安が薄れた。さらに洪水直後の価格高騰のタイミングでタイ政府が約30万トン規模の備蓄在庫を売却する動きに出たため供給不足感を一気に後退させた経緯がある。

 消費動向にも暗雲が漂い始めている。好調を維持していた米国の新車販売台数の動向に陰りが出てきたためだ。3月の米新車販売台数は155万5859台で前年同月比1.6%減となり、今年の1~3月期は3カ月連続で前年割れとなった。昨年までの買い替え需要が一巡したなどの影響だが、とりわけ乗用車の売れ行きが不振で1割超の減少が伝えられている。

 このような状況が、天然ゴム需給の緩和をもたらし市況を悪化させている。しかしこの状況が今後も継続するのかといえば疑問符もつく。

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