国内タイヤメーカー一斉値上げの舞台裏

 世界トップのタイヤメーカーであるブリヂストンがタイヤの販売価格値上げを発表した。同社の値上げは6年ぶりのこと。対象は国内市販用で今年6月から平均6%引き上げる。トラック・バス用の大型タイヤも平均8%値上げするという。

 横浜ゴムはブリジストンよりも先に4月からタイヤ販売価格の値上げに踏み切る。値上げ幅はブリヂストンと同様平均6%で、トラック・バス用、建設車両用、産業車両用でもそれぞれ7%の値上げを決めた。また住友ゴム(ダンロップ)も4月から国内販売価格の5~10%の値上げを発表している。

 値上げの理由としてメーカー各社は「タイヤの主原材料の天然ゴム価格が投機資金流入で上昇しており、また産地タイで今年1月に洪水が起きたため供給不安が高まり価格が上昇している。合成ゴムも石油化学製品の価格上昇の影響を受けて値上がりしている」と説明する。

 一連のメーカーの動きは、製品価格を早めに値上げすることで原材料の調達コストに弾力性を持たせたいとの意識があると考えられる。天然ゴム相場はタイ政府の備蓄在庫の放出などを受け高値から顕著な下落商状を呈したものの、材料の折り込みが一巡すれば再び上昇トレンドに回帰しないとも限らない。また合成ゴムや熱可塑性エラストマー(TPE)などの製品価格も基本的に堅調に推移している。実際、3月までに価格引き上げラッシュは一巡したが、JSR、日本ゼノン、旭化成、クラレなど主要な合成ゴム企業の値上げが相次いでいた。

 別な角度では、日本自動車タイヤ協会によると今年の市販用タイヤの需要は7,078万本と16年に比べ1%増の見通しとなっていることもメーカーの販売姿勢を強気にさせている(下段表参照)。

 値上げによりタイヤの売れ行きが不振となるリスクを抱えながらもタイヤメーカーが価格改定に踏み切る根底には、前述のとおり将来の天然ゴムを含む原料価格の上昇を見据えた動きがある。足元は下落に転じている天然ゴムや合成ゴム価格が先行き再び上昇しない保障はない。

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