ゴムの市場人気弱い4月限納会に危機感

 東京ゴム先限は2月28日に262円まで崩れ、1月31日の高値366円70銭からほぼ105円の下げ幅を記録した。

 下落した原因は前回の本欄で解説した通りで、高値からの暴落で買方に大きな損失が発生、その損切りが次々と出て、スパイラル的な下げを招いたといえる。

 また、今回の暴落で市場は、『すでに天井打ちを確認した』、あるいは、『先限の安値262円から反騰しても、とても、100円以上切り返して新高値など無理』、『基調は戻り売りに転換した』…などの見方が多い。

 筆者も高値から100円以上も暴落した相場が、再度、立ち直って366円70銭(1月31日)を抜くには相当な強材料が必要だと考えている。100円の暴落でかなり痛手を受けた投機筋、更に、今もって高値因果玉を保有している投機筋、両建てで急場をしのいだ投機筋もいるはずで、それらを吸収して、相場が新高値をつけるのは、予想以上のエネルギーが必要で、正直のところ、『もう一度反騰しても2番天井を形成することになろう』との見方をしている。

 ただし、市場の万人が天井を打ったと判断して総弱気に傾斜すると、カラ売り玉が増えて、それが燃え草となって想定を超える高値を出すこともあるので、市場が極端な弱気に傾くようであれば注意すべきであろう。

 更にいえば、当面する市場で注意しなければいけないのは、東商取(東京商品取引所)生ゴム指定倉庫在庫が2月20日現在で1,489トンまで減少したことだ。このうちの90%を標準品RSS3号とすると1,340トン、枚数にして268枚しか無い計算になる。

 『在庫減少は3月に入っても続く』(市場関係者)とすれば、2010年7月20日の1,042トンに近づく、あるいは、これを下回る恐れもあるわけで、それを『危機』と呼んでも決しておかしくあるまい。

 なぜに、これほど指定倉庫在庫が減ったのか。それは採算的にタイから現物が運んでくる人がいなかったこと、一方で、タイが大洪水に見舞われて需給がひっ迫し、タイの輸出業者が実需向けを中心に現物を契約し売却しているからで、東京ゴムの先物向けに現物を運んでくる人がいなかったからだろう。

 今月には小口の現物が入着するとの噂はあるが、納会でとてもまとまって現物を渡せるような状況にない。特に、3月2日現在で4月限の取組は1,695枚もある。トン数にして8,475トンに達するが、こんな現物を納会で誰が渡せるのか。

 それは、ズバリ無理である。そのようにいい切れるのは、タイ産地から4月限納会に間に合うような、大量の現物入着スケジュールが無いからだ。

 となれば、4月限を売っているのは投機筋で、いわゆる、カラ売り玉が大半を占めていると見ざるを得ない。2010年7月の当限納会は400円、受け渡しがたった8枚で、当限と先限が140円近い大逆ザヤになったことを思うと弱気になり切れない側面がある。

 もうひとつは3月以降、タイでは本格的に季節的な減産期を迎える。3~5月は減産期で供給が減少し、高値を出しやすい時期だけに、安値を追いかけて売り込むとシッペ返しを食うので注意したいところ。

 4月に向け、もう一度上昇して2番天井を構成するとみるが…。
 
上海ゴム月足201702
 

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