暴騰・暴落を繰り返すゴムの今後を占う

 いやはや、驚きの相場である。東京ゴム先限を例にとると、1月31日にキロ当たり366円70銭まで高騰したと思えば、2月7日に293円10銭まで崩れ、その下げ幅は73円60銭に達した。その後、2月14日の328円まで35円切り返したかと思えば、先週末には296円20銭まで暴落し、その下げ幅は約32円であり、2月7日から2月14日の上げ幅35円のほとんどを消すといった状況だ。

 キッカケは上海ゴムの中心限月である5月限が2月13日のトン当たり2万2,135元から先週末17日の安値2万0,265元まで1,870元安(国内トン当たり約3万1,000円安、キロ当たり約31円安)も暴落したからだ。

 その背景となる材料は、前回の本欄でも述べたように、タイ政府が第1回、第2回合わせて19万5,000トンほどの在庫を放出、これを中国勢が多くを入札したこと、更に2月下旬から3月中旬に向けて中国政府が戦略備蓄ゴム20万トンを放出するとの噂まで加わり、それを嫌気した投機筋が手仕舞売りしたためのようだが、今回の下げは“嫌味”といえよう。

 しかも、上海ゴムの中心限月が2月6日の1万9,880元を下回り、これを嫌気して東京ゴム先限が2月7日の293円10銭を下回ってくるようだと、内外ともに市場人気が弱まる恐れが無いとはいえない。

 ただ、普通の相場であれば、高値圏での上下波乱は“天井構成”のシグナルながら、『過去、何度か天井と判断して新規売りしたら踏まされた苦い経験がある』(市場関係者)としているだけに、300円割れの先物を追いかけて売って良いか疑問を残す。

 特に、タイRSS3号の日本向けオファーはキロ当たり350円から360円と高く、そうしたなかで、期近と期先が30円以上も逆ザヤにあるだけに、それを新規売りするのは、やはり、リスクがあるといえまいか。

 世界最大の天然ゴム産地であるタイは3月から5月が季節的な減産期で供給が減る。しかも、タイ政府在庫31万5,000トンのうち、すでに19万5,000トンほどが売却済みで、残る12万トンを売却すれば政府在庫はカラになる。つまり、大きな重石がなくなるわけで、タイ産地の相場が反発しやすくなるとものと思われる。

 東商取(東京商品取引所)の生ゴム指定倉庫在庫(1月末)で、RSS3号の標準品が1,964トンと、枚数にして400枚を下回って受け渡しにも事欠くような状況のなかで、果たして、今後も相場が暴落するかだ。

 相場が落ちつきを取り戻せば、上海、東京ともにタイ産地の減産期による買うチャンスあり…と見る。
 
シンガポールゴム週間足20170217
 

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