今度は中国の投機集団がトウモロコシに殺到する

 上海ゴム、東京ゴムともに上げ一服といった感じだ。まさか、『はい、天井打ち、これで戻り売りに転換』にはならないだろうが、3ヵ月にわたって、上げ相場が続いた。東京ゴム先限を例にとると昨年11月2日の176円60銭から今年1月31日の366円70銭まで2倍以上の価格まで暴騰しただけに、市場が“買い疲れ”になっているのも間違いない。

 更に、3ヵ月に及ぶ上げ相場で強材料をかなり消化したことも確かだろう。従って、目下は小休止の相場、新たな材料待ちで上海、東京ともにしばらく揉合相場を強いられよう。

 問題は上海ゴムの中心限月である5月限のトン当たり2万1,760元(1月17日)、東京ゴム先限の366円70銭(1月31日)が天井かどうかだ。

 市場を取り巻く材料を見ると、①タイ政府は第1回、第2回の在庫売却が20万トン弱に達し、これを中国勢中心に買った、②同政府在庫はあと11万トン強あり、これが全て放出されると31万5,000トンとなり、需給ひっ迫の緩和に役立ったか、③トランプ政権は中国のバス、トラック向け大型車のタイヤを最大で22.57%の反ダンピング税率と同65%の相殺関税を課すことを決定し、今後、中国の天然ゴムの消費に影響が出る恐れもある、④中国の投機集団はこれまでの産業関連商品を中心とした投機買いから、安値で出遅れたトウモロコシに資金を移動させている、⑤トランプ大統領のドル安誘導の口先介入で円高基調が続く可能性があり、ゴムの輸入コスト低下に結び付く…などの弱材料が目立つ。

 単に弱材料だけ見ると弱気に傾斜しがちだが、しかし、タイRSS3号の日本向けオファー(C&F)はキロ当たり323セント、国内に換算すると360円以上であり、東京ゴムの割安感がある。しかも、タイは春に向けて季節的な減産期に突入し、供給量が一段と減少する。

 本来であれば、昨年秋から年初にかけてタイヤメーカーは春のタイの減産期を見越して、多めの現物成約を進めて在庫積み増しを図るが、例の大洪水によるタイの供給ひっ迫で十分に手当出来ていないのが実情のようだ。

 とすれば、タイRSS3号の相場が下げれば、タイヤメーカーを中心とした実需筋の手当が入るはずで、相場が下げても限定的と見ざるを得まい。

 東京商品取引所の生ゴム指定倉庫在庫が1月末現在で2,149トンまで減少し、そのうち、標準品のRSS3号の在庫が推定で2,000トン強、枚数にして400枚そこそこまで減少している。2月から3月にかけても、先物の受け渡し用として入着する現物は極めて少ないといい、一段と在庫が減少する恐れがある。

 受け渡し用の現物が枯渇すれば期近限月の価格を暴騰させて荷を呼ぶしかない。

 東京ゴムが期近と期先で25円以上も逆ザヤになっているのは品薄のためだ。

 昔から相場格言で、『逆ザヤ売るべからず』とあるだけに、最初に述べた弱材料を背景に売るのはまだ早く、正直いって恐ろしい。

 こうしたことを考えると、現段階での弱気はリスクがあり、安値を売り込むのは、避けるべきと思われる。

 上海ゴムの取組高(2月9日現在)は5月限が27万3,500枚、合計で35万5,296枚あり、投機資金が引き揚げられているようには見えない。先週末の上海ゴム5月限は2万1,220元までの高値を出して、2月3日の2万1,480元に迫っている。次の高値は1月17日の2万1,760元となっているだけに、まだ強気有利の相場と予想する。
 
上海ゴム週間足20170203
 

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