ギリシャ選挙結果をどう見るか

ギリシャの選挙結果を朝のラジオ放送で聞いてほっとした。結論だけを聞けば緊縮財政派が勝利してギリシャ国民は英知があったような印象であったが、内容を見ると、29.7%対26.9%の得票率で、ほとんど僅差である。ギリシャ独特の第一党には50議席が与えられる選挙制度があるからこそ、129議席対71議席と大差になるが、それでも他の政党と連携しないと過半数の150議席は確保できない。また、71議席を取った急進左派連合も、政局には大きく関与してくるだろう。

国際金融協会(IIF)によれば、ユーロ圏が苦境に陥った銀行のためにスペインに1000億ユーロを融資すると決定したため、ユーロ圏の資金はわずか2510億ユーロに減少してしまったと指摘している。これはキプロス等の小規模経済国の支援には十分だが、大規模経済国向けとしては十分とは言えないという。

これまで、ギリシャには第一次支援で1073億ユーロ、第二次支援で1726億ユーロが使われている。それ以外にアイルランドに850億ユーロ(うち175億ユーロは自己資金)、ポルトガルに780億ユーロ、スペインに1000億ユーロである。合計5086億ユーロが支援されている。

どうも億ユーロという言葉に不感症となり、どれだけの大きさかわからなくなっているが、今回日本政府が平成14年と15年に消費税を5%から10%に増税する規模は、およそ10兆円である。2011年度の税収約40.9兆円のうち、10.2兆円が5%の消費税であるので、それを横ばいさせた計算だ。スペインに対する支援額1000億ユーロは約10兆円なので、日本の消費税を倍にしたために得られる収入をすべてスペインに貸し与えるということになる。
それでもスペインは1000億ユーロ借りても資金が足りているとは限らない。住宅や不動産に対する貸付残高は約4000億ユーロであり、そのうちどれだけが焦げ付いているのかわからない。今後ますます増えることも考えられる。3月のバンキアの時は、90億ユーロで足りると言っていたスペイン政府は結局190億ユーロ必要だった。2倍以上である。たとえば日本が消費税を上げて得た収入を全部スペインに貸し与えたとしてもまだ足りないと言われたらどのような気持ちになるだろうか。いいかげんに節約しろとでも言うかもしれない。そんな気持ちを味っているのがドイツであろう。

ドイツは東ドイツを併合するとき、大きな重荷を背負いこむことになると危惧された。しかし、実際には、東ドイツ国民は勤勉で、安い賃金でよく働いた。メルケル首相も東ドイツ出身である。バルト海の三カ国は健全な財政を達成している。ユーロ圏でもっともGDPに対する政府債務が少ない国はエストニアである。要するに欧州でも北の方は働きアリであり、問題は南欧となっている。
いくらお金を貸したところで、働いて返せなければ再び借金せざるを得なくなる。
緊縮財政だけでは収入は増えない。問題はまだまだ深いと言えよう。

欧州債務問題がまだまだであれば、金価格が上がる余地は未だある。

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