東京ゴムはとりあえず二番天井を構成か

 2016年の東京ゴム先限相場の動きを振り返ると、前半は1月12日の安値144円50銭から4月27日の高値205円10銭まで61円上昇、そして後半は7月8日の安値145円90銭から12月16日の高値297円70銭まで実に152円もの高騰劇を演じた。

 前半の高値は2~5月のタイを中心とした天然ゴム産地の季節的減産期による供給減少が主因だった一方、後半は為替市場での急速な円安進行による天然ゴムの輸入コストアップ、OPEC(石油輸出国機構)の協調減産を好感した原油価格上昇、更には上海市場での石炭、コークス、鉄鋼、アルミなどの商品価格高騰を映して、ゴムにも投機集団が買い攻勢をかけたことが影響し、2013年5月13日の299円にあと1円30銭に迫る暴騰を演じた格好だ。

 さて、肝心なのは2017年にゴム相場が果たしてどのような展開になるか。2016年12月16日の高値297円70銭から同27日の248円80銭まで50円近い下落を強いられたことから、市場では、『すでに東京ゴム先限は天井を打った』と見る向きが多く、高値から50円近く下落したことが買方陣営に少なからず打撃を与えたことは間違いない。

 下落の引き金は、すでに報じている通り、タイ政府が推定30万トンの天然ゴムを放出(売却)すると伝えられたことに加えて、①中国の習主席が正直に同国の景気悪化を懸念した、②北京の大気汚染がかなり深刻で、政府がその取り締まりを厳しくするとの見方から、石炭やコークス相場が急落、ゴムもそれに足を引っ張られた、③11月の中国のゴム輸入量、約56万トンのうち、天然ゴムが約29万トンもあり、高値が荷を呼んだことを示した…などが原因と伝えられている。

 著者も市場の多くが見ているように、12月16日の297円70銭は天井と認識している。高値から約50円下落した過程で残された高値因果玉を吸収しなければならないうえ、今回の上昇過程で、『踏むべき玉は踏んでしまった』ことからすると、新高値(300円相場)に達するためには背景となる強力な材料と、上海を中心に大量の投機資金流入による腕力で相場を上げ切るしかないということになる。

 果たして、前述の条件が伴うかどうが、2017年相場を占う重要な要素といえないだろうか。

 その材料といえば、タイを中心に2~5月が季節的な減産期に当たっており、例年通りに産地の供給減少が上海、東京、シンガポールを押し上げることが出来るかどうか。

 『今回の暴騰劇で産地の天然ゴム生産は増えており、減産期に移行しても供給面での不安はないはず』(市場関係者)の声もある。

 あとは、原油価格がどこまで上昇するか、対ドル円相場次第で東京市場の天然ゴムの輸入コストを変化させるが、これら二つの材料が東京ゴム先限を300円大台に乗せる要因になるかどうか、疑問を残す。

 2017年前半のゴム相場は高値波乱が予想されるものの、300円大台挑戦には材料不足であり、ここは二番天井を構成するような切り返しを演じたあと、次第に水準を切り下げるパターンと予想される。

 上海ゴムの取組高は一時45万枚を記録したが、現在は31万4,000枚ほどに減少し、投機資金流出が目立っているのが現状だ。
 
Sゴム月足201611
 

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