東京ゴムが一時300円、大台に肉薄する高騰劇

 東京ゴム先限は16日に291円70銭まで急騰したが、さすがに、高値警戒に反落し、20日には263円10銭まで下落して高値から28円60銭の下げ幅を記録した。上げるのも早ければ下げるのも早く、いってみれば“ジェットコースター相場”ともいえる。

 下落した原因を市場では、(1)外資系S社で買い大手が撤退したとの噂、(2)タイ政府が天然ゴム価格の高騰で保有している在庫30万トン(推定)を売却するとの見方、(3)上海ゴム在庫が12月16日現在で27万4,819トンまで増加した…などが嫌気されたと伝えている。

 もっとも、(2)は本欄でもすでに述べていることで、(3)にしても12月に向けて増加することは予想の範囲内だった。

 ということは、残る(1)が原因かと思われるが、11月2日の176円60銭から12月16日の291円70銭まで、日柄で約1ヵ月半、値幅で実に115円も上昇しただけに、ここで20円や30円の下落があって当然だ。

 問題は16日の291円70銭が天井かどうかだが、その判断がなかなか難しい。常識論からすれば300円大台を買い進むだけの背景が無く、現在の価格は“天井圏”といえるが、今回の中国の投機集団の買いは、口は悪いかも知れないが、『しつこい』。

 それだけではなく、投機集団の買いに相場が素直について行くからまた不気味といえる。

 上海ゴムの取組合計が40万枚台を割って、現在は34万枚まで減少しているあたりを見ると、一部の投機集団はゴムから撤退しているような印象を受けるが、その一方で、『利益確定売りが一巡すると、再び買い直す可能性が無いとはいえない』(市場関係者)の声も無視出来ない。

 今後のポイントはタイ政府保有在庫推定30万トン売却が、相場にどう影響するかだ。在庫はかなり年数が経過していることから、どれほど買い手がいるかだが、『シンガポールの業者や中国の業者が興味を示しているようだ』(同)という。

 仮に、中国がタイ政府保有の在庫を買い付けたとすれば、『通常ルートでの買い付けが減少するので弱材料になる』(同)と受け止められている。

 来年1月はタイで天然ゴムの生産最盛期を迎えて供給が増加する時期である点を考慮すると、目下のゴム相場は天井圏に近付いているといえるが、中国の投機集団はこれまでに天然ゴム上昇で巨利を手にしている。

 その豊富な資金で再度買い出動してくれば、それに売り向かう向きが見当たらないのが実態だ。ここに、常識では計れないものあるだけに、『300円は大天井だ』と決めつけられない不気味さが内包している。

 結論は、12月16日の高値291円70銭更新に手間取り、ただただ時間が経過する過程で相場が重く、右肩下がりになり始めた時、市場は、『中国投機集団は力の限界』と受け止めるはずで、これは天井圏のシグナルと見てはどうか。来年1月下旬の中国の旧正月が分岐点になるかも知れない。
 
上海ゴム月足201611
 

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