まずは利上げに対応しよう

 トランプ大統領の予期せぬ選出で混乱した市場も落ち着きを取り戻し、トランプ次期政権の政策をプラスに受け取ってドルが買われ、日米の株式市場が高値を付けている。また、政策実現には大量の資金が必要であり、米国の財政出動が期待されることから債券利回りが高騰し、ドル高や予期せぬ長期金利高・債券安を産んでいる。一方、1月のトランプ新政権稼働前に金融政策を転換せねばならないと強い意志を持ったイエレンFRB議長は、12月に利上げを実行することはほぼ間違いないだろう。

 通常利上げが行われるとそれまで金利差を意識して買われていたドルが一旦売り閉じられ、ドル高はドル安に転換し、金利高は株安を招くのが常識となっており、昨年はその通りに動いた。トランプ新大統領の選出という番狂わせさえなければ、昨年と相似形に価格は動いたものと思われるが、このハプニングにより、1月の新大統領就任演説で何が出てくるかわからない不透明な状況となっている。

 減税やインフラ投資、移民の制限、NAFTA(北米自由貿易協定)やTPP(環太平洋パートナーシップ協定)からの脱退という異次元の政策がいきなり出てくれば、市場がどうそれを受け止めるか読めない。減税やインフラ投資は経済にとってプラスの効果があるため、株価は上昇し、ドルも強くなるだろう。しかし、そのことはすでに織り込み済みであるとも言える。反対にNAFTAやTPPからの脱退を就任早々に明言すれば、米国経済の内向き化を市場がどうとらえるかは未知数である。

 従って1月20日以降のことは来年のことであるので、予測できないとして、当面は12月14日のFOMCで利上げが行われることを前提にして予測の焦点を当てると、上記のような市場の反応は、たとえ一時的であるとしても、例年通り発生すると考える。つまり一時的なドル安・円高、値下がりしている新興国通貨やユーロドルの反発、日米株価の急落である。金価格が上昇するかどうかはその後の株価の行方次第であろうが、少なくとも金価格は下げ止まり、一時的にせよ反発することにはなるのではなかろうか。なお、原油価格は11月30日のOPEC会議で減算が決議され、その効果云々はさておいて、何はともあれ少しは反発するであろう。
 

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