景気減速懸念を嫌気して原油は急落

 原油相場が急落している。5月の下落率は、期近7月限ベースでNY原油が17.8%、北海ブレントが14.5%となっており、特に5月末にかけての急落が目立っている。
 急落の主因は、ユーロの急落といえる。スペインでの不動産バブル崩壊による金融不安が拡大し、欧州の信用リスクも増幅している。スペインやイタリアの国債利回りが上昇する一方、質への逃避でドイツ国債の利回りが過去最低を記録。こうした信用不安を背景とした動きに目先的な歯止めは期待できず、当然ながら欧州の景気減速懸念が一層強まる状況となっている。
 ところで、石油を取り巻く環境は厳しく、実勢悪からいつ急落してもおかしくはない状況に立たされていた。
世界最大の石油の消費国である米国の石油需要は長期低迷する一方、原油在庫は11週連続で積み増しされるなど、需給環境は悪化の一途を辿っていた。米EIA(エネルギー情報局)が31日発表した在庫統計で、ガソリン需要は日量平均で893.1万バレルと、900万バレル以下の需要を継続している。需要が後退し始めた昨年でも1月から5月までの間に900万バレルの需要を越えたのは21回の発表のうち、10回もあったが今年はまだゼロ。こうした需要低迷は昨年から表面化しているが、今年に入って一層深刻化している。その半面、原油在庫は11週連続の増加をみせ、前年同期比2.9%増、過去5年平均と比較すると9.7%も急増している。
 米国に次ぐ世界第2位の石油消費国である中国の石油需要も落ち込んでいるとされ、4月の石油需要は3年振りの前年を下回る水準になったとのロイター通信の情報も流れている。

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