週刊石油展望

 先週末のWTI原油は前週比0.3ドル安の44.50ドル、ブレント原油は同0.76ドル安の45.73ドルとなった。
 
 前週末4日は前日までの流れを引き継ぎEIA統計の原油在庫急増や、世界石油需要の伸び鈍化見通しを背景に軟調な推移となった。一部メディアがイランが生産抑制を拒否するならサウジアラビアが増産に踏み切ると報じられたことから急落したが、バルキンドOPEC事務局長がこれを否定し、下げ幅を縮小する動きとなった。
 週明け7日は米連邦捜査局(FBI)がクリントン候補のメール問題で訴追しないことを明らかにしたことから大統領選挙への警戒感が薄れ、ショートカバーが入る格好となり上昇した。翌8日は大統領選挙の結果を見極めたいとの思惑から終始小動きであった。翌9日は大統領選挙でのトランプ共和党候補の勝利を受けてリスク回避の動きが強まり、一時は大幅な急落となったが、その後は株が買い戻されたのをきっかけに、原油も買い戻される展開となり、プラスサイドまでの急上昇となった。EIA在庫統計では原油在庫が予想以上の増加であったものの、APIほどの数字でなかったこともあり相場への影響は限定された。翌10日は前日の堅調さを維持する中、ドル高の進行やIEAが公表した11月の月報において来年の非OPECの原油生産見通しを引き上げたことから次第に上値が重くなっていき、マイナスサイドに沈んでいる。

 今週の原油相場はWTIで42ドル~46ドル、ブレントで43ドル~47ドルのレンジ相場を想定する。大統領選挙は大方の予想を覆す結果であったが、トランプ氏勝利の場合にリスク回避の流れとなるとの見方も覆されることとなり、まだ余韻のような動きは続いているようにみえるが、ひとまずは極端なリスク回避から、原油下落といった展開は否定されたとみてよさそうである。しかし、現状は多少の底堅さは期待できそうなものの、上昇に転じるほどの材料に乏しいと考えられる。IEAが発表した月報で10月のOPECの産油量が「記録的な水準」に達したと推計したこともあり、協調減産に対する期待は高まりにくく、また、米原油在庫も2週連続で増加しており、積極的に買にくいところであろう。高値からの下げ幅を考えると自律反発が入ってもおかしくない水準ではあるため、前回安値の42ドル台のサポートを意識しての押し目買い、戻り売りのスタンスで取引に臨みたい。

 
NY原油チャート
 

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