いつまで続く上海ゴムの異常な高騰

 東京ゴム先限は2017年1月限以降が200円大台に乗せるなど、上昇基調が続いている。先限は11日(金)に207円70銭まで上昇し、今年4月27日の高値205円10銭を突破した。

 こうなると、次の高値目標は2015年7月22日の218円、更には6月25日の234円90銭、そして、6月2日の247円90銭となるが、果たして、どこまで上昇するのか。

 さて、今回の上昇は本欄で何度か指摘している通り、上海市場が震源地だ。鉄筋、コークス、石炭、ゴムなど多くの商品価格が高騰を続けており、このため、8日には上海、大連、鄭州の3取引所が手数料や証拠金アップの措置に動いた。

 具体的には上海が異形鉄筋、天然ゴムの手数料を引き上げ、大連ではコークスと原料炭の最低証拠金を引き上げるとともに、値幅制限を設定した。また、鄭州ではこのところ手数料を引き上げてきたが、一般炭の手数料を新たに6元引き上げた。

 こうした措置の相次ぐ発表は、『個人投資家による高リスク投機や、石炭価格の高騰で電力会社が打撃を受けていることに対する当局のいら立ちを反映するもの』と現地ではコメントしている。

 もっとも、投機買いが活発化し、腕力相場化している時に、手数料や証拠金が引き上げられると、ダメージを受けるのは売方だ。

 価格高騰で大損しているうえでの証拠金アップは大きな打撃で、踏み(損切り)上げを促すことになる。このため、強気筋の買い攻勢と弱気筋の踏み上げで大きく水準を上げることが多い。

 改めて、上海ゴムの中心限月(2017年1月限)の動きを見ると、11月3日のトン当たり1万3,650元から11日の高値1万6,350元までの上げ幅は2,700元。この上げ幅を1元15円60銭で計算すると、円換算でトン当たり4万2,120円、つまり、キロ当たり42円12銭となり、いかに上げ幅が大きいかが判る。

 これに対して、東京ゴム先限は11月2日の176円60銭から11日の207円70銭(午後3時20分現在)までの上げ幅が31円ほどだから、上海の42円上昇はいかにも大きい。こうなると、上海売りの東京買いという裁定取引を行う向きも出てくるので、東京市場が更に上値を追って210円台をつけないとも限らない。

 今回のゴム相場上昇に理屈をつければ、ドナルド・トランプ氏のインフラ投資拡大による資源、資材価格の上昇期待、中国の減税効果による新車販売好調とタイヤ需要の活発化、天然ゴム価格の消費地相場が高騰して天然ゴム産地の売り腰が強まっている…などがあるが、最初に述べた通りに今回の上昇の震源地は上海市場の“投機買い”が引き金になっている。

 超大国の中国にとって多くの資源を必要とし、輸入する立場にあって無用な価格高騰は決して歓迎するものではないはずで、このまま商品価格高騰を放置するとは思えない。

 当局が第2、第3の価格抑制策(規制)を発した時、投機筋が一斉に市場から撤退する恐れがあり、それは商品価格の急反落を意味する。

 同時に商品は安いところから高いところに流れる。それが経済の原則であり、あとになって、東京市場でも『高値が荷を呼んだ』ことになりかねず、いずれ東京市場が在庫圧迫を受けるであろうことを頭に入れておきたい。
 
上海ゴム月足201610
 

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