原油市場「米オイルリグ数と製油所稼働率」

 米オイルリグ数がこの5カ月間で316基から432基まで約37%も増加しましたが、米原油生産は5カ月前から減少しており、4カ月前から横ばいを続けております。一方、米オイルリグ数が2015年1月からの1年5カ月間で1500基付近から316基まで大幅減少したものの、その間の米原油生産は15%ほどしか減少しておりません。

 シェールオイル開発ブームにより2014年10月10日に米オイルリグ数は1609基まで増加しましたが、その後の原油価格の暴落を受けて米シェールオイル開発企業の多くが生産コストの割高なシェール油田を放棄し、ホットスポットと呼ばれる生産コストの安いシェール油田(生産コストが25~40ドル程度のシェール油田)に人材と費用を集中させる方針を打ち出しました。それにより米オイルリグ数が8割ほど減少したものの、それでも米原油生産が15%ほどしか減少しなかったようです。
 
 通常油田(自噴型油田)の寿命は30~50年程度であり、中には100年を超える寿命の油田もあります。それに対してシェール油田の寿命は3年程度であり、稼働から1年半で産油量が半減するとされております。米シェールオイル開発企業の多くが原油価格の暴落を受けてホットスポットと呼ばれるシェール油田に人材と経費を集中させたことにより、ホットスポットの産油量が減少していることを受けて、この5カ月間で米オイルリグ数が37%も増加しても、米原油生産が増加傾向に転じなかったようです。いくら米オイルリグ数が増加傾向を続けても、米原油生産が増加傾向に転じていないのであれば、原油価格の圧迫要因となりそうもありません。2014年秋以降で米原油生産が増加傾向に転じたのは、2015年5~6月だけであり、NY原油が60ドル付近まで上昇したことが米原油生産を増加させたようです。11月のOPEC総会で減産が決定すればNY原油が60ドル付近まで上昇する可能性も高まります。しかし、NY原油が60ドル付近まで上昇すると、米原油生産が増加傾向に転じる可能性も高まります。そうしたことを考えると、今後のNY原油価格の高値のメドは60ドル付近となるのかもしれません。
 
1ページ目の添付グラフ
 

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