【3羽目のブラック・スワン】

 9月は重要なイベントが3つあった。2つは、日銀の金融政策決定会合と米連邦公開市場委員会(FOMC)。日銀は、金融緩和強化のための新しい枠組みとして「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」の導入を決定し、2つの枠組みである「イールドカーブ・コントロール」と「オーバーシュート型コミットメント」を決めた。米連邦準備制度理事会(FRB)は利上げを見送った。声明文では、労働市場の改善継続と、経済活動の拡大が加速したことに言及し、利上げの根拠は強まったと指摘した。しかし、今年の成長と物価見通しは下方修正され、委員の金利予測は長期にわたって大幅に引き下げられた。委員らが見込む2017年中の利上げ回数は「2回」にとどまり、2017年末時点の政策金利は従来見通し(今年6月時点)より低い水準を見込んでいたことが判明した。それでもイエレンFRB議長は、年内の利上げに意欲を示した。

 しかし、次回会合の11月1、2日に開催されるFOMCは、大統領選挙(11月8日)投票日の直前となるため、利上げのタイミングには適していないと見られている。日米の金融政策の決定を受けて、ドル売りが強まりNY金は反発したが、12月の利上げが見込まれていることから、反発も限定的で1350ドルを上回ることはなかった。一方、低金利状態が続く見込みから下値は1300ドルが堅持されている。結局のところ、金相場が1300~1350ドルのレンジから脱け出せるほどのインパクトはなかったということだろう。東京金は会合後に為替が100円台前半まで円高が進行したことを受けて売りが優勢となった。年初来安値4046円(1月15日)と年初来高値4622円(3月7日)の0.5倍押し(4334円)を下回り、0.62倍押し(4264円)も割り込む局面が出てり、年初来安値を起点とするサポートラインのある4200円台前半まで下落する可能性が出てきた。

 さて、米大統領選挙の第1回テレビ討論会が行われた。民主党候補ヒラリー氏(前国務長官)が共和党候補トランプ氏より優勢との報道を受けて、ドルが買われ、NYダウが上昇し、金は押し下げられた。金融市場はクリントン氏を歓迎しているようだ。トランプ氏は米国の外交、貿易、経済に関して、どのような政策を採るのか不透明な部分が大きく、トランプ・リスクが警戒されている。2回目のテレビ討論会は10月9日(日)、3回目は10月19日(水)。そして、11月8日(火)に大統領選挙を迎える。
 
nygold
 

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