急転直下の原油高騰で予想されるゴム相場の今後のシナリオ

 9月第4週に急騰した東京ゴムは、23日に先限が170円の心理的節目を突破したことで、その勢いのまま続伸して更に高みを目指す展開となった。しかし第5週に入ると下落に転じ、週央の27日~28日には前週の上昇値幅のほぼ半分を失った。

 ゴム相場が中長期的に自律反発の域を出ないのは、基本的な需給ファンダメンタルズの改善が進みにくいという構造的な問題がある。言うに及ばず、これは需要側と供給側ともに抱える問題であるが、実際には供給側の問題のほうが根は深く、しかも長期化しがちな問題である。これは、もともと天然ゴムの生育には5年から6年の期間を有するため、いったん構造的に増産が傾向化された場合、その年月分だけ減産になりにくい側面がある。

 参考までに、このような一次産品が抱える問題を解消するために、20世紀までは、天然ゴム市場にはINRO(国際天然ゴム機関)という国際組織が協定に基づき緩衝在庫を保有することで天然ゴムの国際価格の安定化に寄与してきた。しかしそのINROが1999年に崩壊すると、その後は生産国だけで組織されたANRPC(天然ゴム生産国連合)やITRC(国際天然ゴム協議会)に役割が移管され、現在に至っている。

 今年に入ってから開始された産地国の輸出削減策もITRCに加盟するタイ、インドネシア、マレーシアの3カ国によって実施されているが、生産国だけで運営されているため、効果的で実効性のある政策かどうか、懐疑的な見方が底流していることは9月2日付けの本コラムで触れたとおりである。
 
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