やはり強かった中国の金現物需要

香港政府によると、1~3月に香港経由で中国が輸入した金(ゴールド)は135.529トンに達した。前年同期は19.729トンであり、実に6.9倍もの大量輸入が行われた形になる。特に、金相場が急落した3月に62.913トンと、2月の9.166トンを大きく上回る大量輸入が実施されており、中国の金需要が価格動向に極めて敏感なことが再確認できる。

中国経済に減速懸念が強まる中、今年の中国の金需要に関しては伸び悩みを警戒する声も小さくない。インフレ懸念が一時期よりも後退していることや、金価格動向が不安定化していることもあり、既に中国の金需要は歴史的なピークを打ったとの見方もある。

ただ、上海黄金交易所の現物売買高は、概ね前年実績を維持しており、特に中国の金需要が低迷していることを示唆していない。加えて、香港経由の大量輸入が確認されたことは、金相場の下値不安を後退させよう。

確かに、昨年は1,700ドル水準でも値頃買いが入っていたことを考慮すれば、中国の金需要環境が悪化していることは否めない。現状では、1,750ドルでは買い見送り、1,650ドルで漸く物色意欲が強まる状況にあり、買い付けラインが50ドル前後引き下がったと評価せざるを得ない。

ただ、実質金利のマイナス化といった、中国の金需要を後押しする基本環境には変化がないことも重要である。3月の急落局面では、中央銀行の大量買い付けも確認されており、現行価格よりも下では短期需給要因がダウンサイドリスクを限定する見通し。

欧州の政局不安から商品市況が全面安の展開になる中、金相場のみが独歩高となるシナリオを描くことは難しい。ただ、需給要因からブレーキが掛かり始める価格水準に到達していることも認識しておきたい。

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