原油がレンジ内のもみ合いになればゴム相場も連動する

 グリーンスパン氏といえば、今のイエレン米連邦準備制度理事会(FRB)議長から2代前の議長であり、議長就任直後の1987年10月に起こった史上最大規模の世界的株価大暴落「暗黒の月曜日」を迅速に終息させたことで有名な経済学者である。このグリーンスパン氏は8月初めに今後の原油相場について「8月初旬までの相場下落で40ドル近辺まで下落したところで恐らく底打ちしたようだ。向こう数年、原油価格は40ドルから50ドル前後の小幅なレンジで取引されるだろう」と述べた。

 中国の景気減速や欧州をはじめとした一部地域・国での金融不安を理由に、エネルギー消費の先行きには不安要因が根強く底流している。しかし世界人口の増加や産業拡大などの構造的要因から世界の石油消費は増加傾向をたどっている。一方、新エネルギーのシェールオイルは豊潤な供給力を誇っているため、原油価格がシェールオイルの生産採算ラインに接近するか超えると供給が増え、現状の生産最低コストと見られている50ドル付近まで上昇すると相場の上げ足は鈍くなる状況である。この構図からすると、グリーンスパン元議長の石油相場のレンジ見通しはかなり現実味を帯びていると目される。

 参考までに、世界銀行は7月下旬に原油見通しを明らかにし、今年は従来までの41ドル予想を43ドルに引き上げたものの、40~50ドルのレンジ内に収めている。「供給過剰は次第に解消される見込みであるが、世界の原油在庫は依然として高い水準のままであり、この高在庫が解消に向かうには時間がかかるだろう」と同銀行の上級アナリストは分析する。

 原油相場の見通しを示したのは、ゴムと原油は価格の相関性が高いためだ。原油が上昇するとゴムも上昇し、原油が下降するとゴムも下降するのが一般的である。

 実際、過去の価格動向を比較すると両商品の相場の連動性は高い。下段グラフは1998年を100として指数化したものだが、時期的な上げピーク、下げピークに若干のズレもあるが、基本的な相場の流れはかなり似ている。両商品の相関係数は8月10日現在、0.8308と高い正の相関を示している。
 
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