消費地である東京より高いタイのゴム現物価格の異常

 タイは今年、数年ぶりに落葉の期間が平年よりも長いハード・ウインタリングとなったことに加え、7月には長雨に見舞われ南部のスラタニを中心とした地域でタッピング(切り付け)作業に支障が出たことなどから、足元の集荷が少なくなっていると現地事情に詳しい筋は伝えている。

 荷不足により原料のフィールド・ラテックス及びカップランプが少なくなっている模様であり、実際、タイ中央ゴム市場の日々の集荷は極めて低い水準で推移している。この結果、7月中に高騰していた原料価格は高値止まりのままで、8月第一週初めの原料アンスモークド・シート(USS)価格は、ソンクラ、スラタニ、ナコンシタマラート3市場の平均で59.78バーツ/kg、円換算では173.4円(8月3日レート:1バーツ=2.904円)となっている。このタイの原料価格の裸値は、東京当限より約7円安いものの、現状のヘッジ対象限月である10月限の172円前後とほとんど遜色のないフラットな価格水準である。

 更にタイ現物市場の価格を追うと、USSを燻製した後のリブドスモークド・シート(RSS)が前述と同じ3市場の平均で60.56バーツ/kgで円換算は175.6円。

 最終的に、日本や中国向けとして船積みされるRSS製品の出し値(Offer Price)は62.35バーツ/kg(バンコク港9月積みFOB条件)となっており、円換算は180.8円である。同出し値は9月積みであるため、東京や横浜、神戸、関門などに海上輸送される場合はヘッジ対象が10月限となる。8月3日時点の東京10月限は172円前後であることからすると、このタイ現物FOBより約8円も安い。本来であれば、このFOB積み値段に加算して船賃や保険料が約8円/kgかかるため、合計すると約15~16円もタイ現物価格は消費地である東京より高いことになる。

※FOB=Free On Boardの略。港荷渡し価格。本船上渡しのことで船賃や保険料は買主が負担する契約のことを指す。
 
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