ゴムは現物を呼び出すまで高い

 英国のEU離脱は想定外で、当初、株、為替、商品がともに下落し、市場を総悲観人気に陥れた。しかし、そのショックはごく短期間で、これまた想定外だった。原油価格と連動しやすいゴムも一時はガラガラと崩れるかに思えたが、先限は6月24日の147円で止まり、6月15日の146円70銭を切れずに反発へと転じている。英国のEU離脱ショックでいうと6月23日の158円から翌24日の147円まで11円の下げで、とりあえず、これを織り込んだと見ることが出来る。東京ゴム先限のケイ線を見ると、今年1月12日と2月12日の安値144円50銭のW底を底値と見立てれば、6月15日の146円70銭と6月24日の147円は2番底と見ることも出来るわけだ。

 さて、目下のゴムで注目すべきは東京市場の当限と先限の逆ザヤ幅が12~13円に拡大していること。期近が高過ぎるのか、期先が安過ぎるかの議論となるが、理由付けとしては期近が高いのはタイで長雨が続き、農民のゴム樹からの採液作業に支障が出ているためといわれる。

 インドネシアも大雨に見舞われていることから、天然ゴムの二大生産国が長雨によって生産に支障を来しているというわけで、この供給減少が東京ゴム、あるいはシンガポールゴムの大幅な逆ザヤを招いているといえる。

 特に、東京市場ではタイからの供給減少をカバーするため、一部のタイ輸出業者が期近に買いヘッジしているといわれ、逆ザヤを助長している面もある。これらはタイ産地からの供給が増えれば、東京、シンガポールともに期近が下げて、逆ザヤを修正すると見られるが、目下のところ、そのような動きを見ることが出来ない。

 とすると、今週も東京、シンガポールともに、期近がリードして上昇するパターンが続くと見るべきだろう。

 ただし、忘れてはいけないのは市場に現物が無いわけではないこと。たとえば、タイ産地で天候が回復すれば現物の出回りも増えるはず。実際にタイからの現物出回りが増えれば、最初にシンガポールRSS3号の期近が伸び悩んで反落するだろう。

 東京市場にしても、5月と6月の検品申請の大半が納会で受け渡しされず、ざっと4,000トンが残っている。これらは、高値で現物を手当した結果、先物市場が高値を出さないと受け渡しに顔を出しにくいといわれる。ここは高値を出して、そうした現物を呼び出す必要があるわけだ。

 目下、相場は安値水準から反発しているが、まだ、現物を呼び出す水準に達していないため、依然、高値を残している相場と見ることが出来る。

 一方で期近高に対して期先が安いのは、11月、12月といえば、タイ産地では雨期にあって天然ゴムの生産量が増える季節にあり、このため期先が安いという理由付けがある。

 いずれにしても、タイ産地の天候が回復して、天然ゴム生産量が通常に戻るまでは東京、シンガポールともに逆ザヤのまま強含みの相場展開が予想され、値頃感で売るにはリスクがある。

 とりあえず、当限の175円以上、先限で165円がらみまで上昇した段階で、実際に現物を呼び出すかどうか見届けたいところだ。
 
Sゴム日足20160701
 

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