ゴムは低迷脱出に時間かかる

 東京ゴムの出来高が減少している。最近の一日の出来高は5,000枚あるいは6,000枚程度にとどまり、ひと頃の1万枚、1万5,000枚に比べると半分から3分の1に減っている。

 このように出来高が減っているのは新規材料に不足しているうえに、底入れがなかなか確認出来ないからだ。しかも、英国のEU(欧州連合)離脱問題で世界景気に不透明さが増していること、一方で米国の利上げ見送り、日銀の緩和見送りなどから超円高に見舞われるなど、金融市場が不安定となり、投機筋が商品市場での売買を控えていることも影響しているといえよう。

 これは、商品市場に限らず株式市場、為替市場も同じであり、『11月の米大統領選でトランプ氏が勝利すれば、一層、市場が不安定、混乱を助長しかねない』といった見方も、先物取引の手控えにつながっているのかも知れない。

 そのような意味ではゴムを始め、金、白金、原油、トウモロコシ、大豆なども円高含みとあって、その見通しも難しくなる。

 ただ、英国がEUから脱退すれば世界景気にマイナスになり、英国に続いて第2、第3の脱退組が出れば更に混迷を深めかねず、景気に敏感な白金、原油、ゴムなどはその影響で売り圧迫を受けることになりそうだ。

 加えて、ドル安・円高によって1ドル=100円、あるいは95円相場が現実のものになると、日経平均株価の下落とともに、生ゴムの輸入コスト低下などからゴムが一段安に見舞われる恐れもある。

 肝心な点は当面のゴム相場をどう読むか。23日(木)の英国の国民投票が実施され、その結果、残留か離脱かでゴム相場の流れも変わってくる。仮にEU離脱であればマイナス要因でゴムの足を引っ張る。残留であれば、それを好感して買われる可能性はあるが、23日に決着さえつけば材料的には織り込み済み、さほど長く引きずる材料にはなるまい。

 24日(金)は東京ゴムが6月限納会を迎える。17日現在の6月限の取組高は259枚まで減少しており、最終的には200枚前後の受け渡しで、平穏に幕をひくものと思われる。渡方は中国筋、受方はタイの一部輸出業者と予想されているが、6月限が7月限よりも高いのに現物を受けるのは、それなりに理由があるからだろう。それは、タイRSS3号に比べて大幅に割安なこと、タイの原料出回りが相変わらず少ないことなどが、タイ筋の現受けにつながっているものと推察される。

 6月限納会後、7月限が当限に回った段階で期近がサヤ滑りするかどうかだが、7月に入ってもタイの原料出回りが少ないと、引き続き、7月限も下げ渋り、逆ザヤ状態を解消出来ないかも知れない。

 それでも、国際ゴム研究会資料によると、昨年の6~9月の4ヵ月間の天然ゴム生産量は151万3,700トンで、2~5月の107万2,800トンを44万トンほど上回っている。

 従って、7月に入れば原料の出回りも増え、それに伴ってタイRSS3号の日本向けオファーも低下するものと思われる。

 いずれにしても、今週は英国がEUに踏みとどまるという結果が出れば、ゴム相場も修正高に移行、逆に離脱すれば売られて、2月12日と1月12日の安値144円50銭を下回ると見るべきで、後者であれば140円割れの恐れが強まると見たい。
 
上海ゴム月足201605
 

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