ゴム市場間のサヤや当先のサヤの変化に注意

 下段に掲載されているグラフは代表的なゴム市場の相場推移。水色が東京RSS、オレンジ色が上海ゴム、灰色がシンガポールTSRである。2010年1日を基準日として指数化したもので、単純に相場の値動きを時系列で示している。参考までに、相場の絶対値については、基本的にシンガポールTSRは東京RSSよりグレード落ちであるため下ザヤとなるのが一般的であり、また上海市場の場合も中国産TSR(ブロック状ゴム)の受け渡しも可であることで、グレード間の格差から東京のほうが上ザヤを形成することが一般的である。

 グラフをみて分かるとおり、今、最も高いのは東京で、ギャップを開けてシンガポールと上海がほぼ同位置で推移している。今年に入ってからシンガポールの期近が急速に上昇して、東京や上海の上昇を牽引した時期もあったと考えられるが、トレンドの山と谷はほぼシンクロしているため、互いの市場が呼応し合いながら整合性の取れた価格形成がなされていることが分かる。

 東京が他市場よりも割高な価格形成となっているのは通貨要因が挙げられる。2013年以降は安倍政権下で推進されたアベノミクスによる成長戦略の下で円安が進んだことに拠るところが大きいと判断できる。

 別な角度では、上海を例にすると消費地在庫の増加が需給バランス崩れを示すとともに、東京よりも割安な相場形成につながったと見ることができる。周知のとおり、上海取引所の生ゴム在庫は30万トンを大きく超え、史上最高水準の記録を更新中である。また一時は大きく上昇していたシンガポールも、最近は期近プレミアムが剥げてきている。期近高が足元の需給の引き締まりを連想させる時期もあったものの、最近では逆に需給が緩和しているのではないかと認識が支配的である。

 このグラフは、単純に市場間の値ザヤを知るに過ぎないものの、2010年から2011年にかけてゴム相場が急上昇した際に、3市場の値ザヤがほぼ埋まり同ザヤ付近で推移していたことからすると、今後、国際ゴム相場が上昇期に入るのは、このように3市場の値ザヤが埋まったタイミングとなる可能性がある。
 
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